バナー 信濃温泉巡り第二章
2001.09/19〜09/24

旅行者 まぶりん麻呂、ちえりん
(注)温泉名 施設名 料金 営業時間 定休日

9/23
 朝食前に宿の敷地で撮影を少々。白馬三山にはうっすら雪が積もっており、紅葉が来る前に一足早く冬の気配を感じた。 田圃には稲穂が朝日に照らされて、黄金色に光っている。白馬の山々と稲穂の取り合わせにチャレンジする。 朝露に濡れた稲穂を見るのは何十年ぶりだろうか、朝食の時間を忘れて思わず見入ってしまった。

 白馬地方では、午前中から営業している日帰り温泉施設はないので、観光名所へと向かう。 国道148号線の白馬駅前のひとつ北側の交差点を曲がり、大糸線の線路を渡り、しばらく行くと「大出(おいで)の吊橋」が現れる。 ここは、白馬の観光案内には必ずと言っていいほど紹介される場所だ。 姫川と吊橋と白馬三山が見られるこの場所は、多くの絵描きさんやカメラマンでいつも賑わっている。 訪れる度に山の表情が少しずつ変わって見える。この場所は定点観測して、季節の移り変わりを実感するのに最適かもしれない。 ちなみに翌月に同じ場所から撮影したものはこちら

 国道148号線から大糸線の信濃森上駅の手前で曲がり、大糸線の線路を渡り、大糸線沿いに車を走らせる。 しばらくして姫川第二ダムが右手に見え、行く手には赤く塗られた橋が、左手には青く塗られた大糸線姫川第一橋梁が見える。 この橋を渡った先を車で上がっていくと、次の目的地である「青鬼(あおに)集落」に至る。  この集落は、戸隠へ向かう道が通っており、その昔は戸隠神社へ参詣する人々が行き交う賑やかな所だったそうだ。 また、青鬼という変わった地名は、山を越えた所にある鬼無里の鬼に関係があるという説がある。 ここは、平成11年7月には日本の棚田百選に選定されている。12年10月には、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

 この事実は訪れた後に知ったのであるが、昔の日本の原風景とも言うべき景色が山奥にひっそりと残されていること自体が奇跡に近い。 北アルプスをバックにした棚田と古い建物は、おそらくここでしか見られない貴重な場所である。 観光地ではない為、当然の事ながら駐車場などという代物はなく、民家の前の道幅のやや広い所に車を停める。 訪れた時は丁度稲刈りの時期だった。稲刈りの一休みという感じで、農家の方々が一軒の民家の前で休憩をとっていた。 これぞ古き良き農村の姿を見つけたとばかりに、カメラを思わず向けてしまった。こんな所まで入ってくる部外者は珍しいのだろう。 子供達が「勝手に人の敷地に入って写真撮ってる」みたいなことを言っている。それに対し、その子の親らしき人が  「ここでは、村の者の土地もよそさまも土地もない」とたしなめていた。やはり、マナーとして断ってから写真を撮るべきだった。

今ではすっかり見られなくなった。刈り取った稲を掛ける稲架(はさ)や水力で稲を脱穀するガッタリという設備など珍しい物に出会った。 稲穂と共に短い信州の秋を彩るコスモスが見頃で、何枚か気に入った写真をとることが出来た。 この集落には、青鬼神社や道祖神など他にも見所はある様だが、今回は湯巡りが主なので先を急ぐことにする。

 国道へ戻り、再び南小谷方面に北上を続ける。サンテインおたり(下里瀬温泉)のある交差点で右折し、姫川を渡り山奥の一軒宿の温泉を目指す。 本当にこんなに山の奥に温泉があるのだろうかと疑ってしまうほど、山道は次第に細く険しくなっていく。 小谷温泉とは山ひとつ隔てたこの土谷川の流域は、国道からの道のりはさほどかからないものの、民家も少なく、秘湯ムードが満点だ。

奉納(ぶのう)温泉 400円 08:00〜20:00 不定休
 女湯の方からは、宿の子供達だろうか?かわいらしい笑い声が聞こえてくる。 そういえば脱衣所には、お風呂セットが置かれていたので、近くの住民の憩いの場になっているのだろう。 成分分析表を見ると、ナトリウムと炭酸水素イオンの成分が突出している。 そのことは湯口を一目見て、納得できた。析出した白っぽい茶色い成分が湯口の下に固まり、その姿は大きな「がまがえる」を連想させる。 後から知ったことだがカランの一角に、源泉が流されている蛇口があります。コックははずされており、水が出しっぱなしになっている。 さわってみると、ただの冷たい水だったのでもったいないなあと思った。後から妻に聞くと、それは源泉の水だと判明した。 そう言えば蛇口の周囲は変色し、析出物がこびりついており、飲泉用のコップが置いてあった。 分析表によると、源泉温度は31.2℃なので、蛇口から出ているのが、まさか源泉だとは思わなかった。 3Km以上先の山中から源泉を引いているので、冷えてしまうそうだ。 誰もいなかったので、浴室を撮影する為に窓を全開にする。こんな山奥にも水田が切り開かれており、稲穂がたわわに実っている。 これも後で知ったのだが、加熱であることは想像できたのだが、実は循環しているとの報告もある。 しかしお湯の良さは湯口の析出物を見ていただければ、温泉に疎い人でも分かるだろう。 地元では「子宝の湯」として有名であり、まだ子宝を授かっていない我々にとっては、また訪れてみたいお湯のひとつになった。

 奉納温泉を後にして、小谷温泉の奥にある鎌池へと向かう。途中で来た道を曲がり近道をする。 ところが、これがとんでもなく細く見通しの悪い道であった。忘れた頃にやっとすれ違いが出来るスペースが申し訳程度にあるくらいだ。 対向車が来たら延々とバックしなければならない。幸いにも対向車には一台にも出会わずに済んだ。 まあ、地元の人でもよっぽどのことがない限り使うことはない道であろうが、それなりに時間をかせげたかどうかは疑問だ。 小谷温泉の奥へ車を進め、鎌池へ向かう。紅葉の名所として有名な場所であるが、さすがにまだ早かった為、少し散策してすぐに戻る。 鎌池は百名山で有名な雨飾山の登山口としても有名であるが、3度目の来訪で雨飾山を見ることが出来た。

小谷温泉「村営露天風呂」 寸志 24時間 冬季休業
 連休の中日ということもあり、駐車場は大混雑。案の定露天風呂も芋洗い状態だった。いつも熱い湯で加水しなければ入れないが、 たくさんの人が入っているので湯温が下がり、加水せずに入ることが出来た。 ここを訪れるのは3回目だが、今回は初めて茶色い湯の花が大量に舞っているのに出会い、感激した。 何時来ても森林浴をしながら気持ち良く湯浴みが出来る、露天風呂である。

島温泉「島の湯旅館」 500円 要確認
 国道148号線下の旧道に忘れ去られたかのようにポツンとある温泉旅館で、開湯は明治初期という古い歴史を持つ。 午後になり日が当たらなくっているにもかかわらず布団をたくさん干しているので、辛うじてここが旅館だと分かる。 目の前に姫川が流れているが、目の前のちょっと高い位置に新しい国道148号線が出来て、その眺めは見えづらくなっている。 玄関で来訪を告げると、高校生くらいの宿の息子さんらしき茶髪の男の子が出てくる。 お風呂に入りたいと告げると、品の良いおばあさんが出てきて男の子にお湯を出すように言いつける。 浴室まで細長い廊下を通って行く、昭和初期の頃の雰囲気の漂う古い旅館で、かなりの部屋数がある。 宿全体と同様、浴室も年季の入った共同浴場にも似た鄙びた風情で溢れている。 源泉はやや温めであるが、となりにお湯の蛇口があるので、好みの温度に調節できるのが良い。 時間が止まった様な、静かな佇まいの中でゆったりとした湯浴みを楽しんだ。

 平成7年の姫川の水害により、このあたりの景色は荒涼としたものに変わってしまった。 最近道の駅や新しい道路の完成、橋の架け替えでようやく復興しつつある。 以前の橋(旧道として現存)を渡った所に来馬温泉の看板があり、前々から気になっていたお湯だった。 「道の駅おたり」は国道沿いにあり、土産を買ったり、食事をしたり、お風呂に入ったりするので便利なんだが、 この村営の「風吹荘」は、日帰り入浴はもちろん、食事もとることが出来、おまけに格安で泊まることの出来る優れもの。

来馬温泉「風吹荘」 300円 10:00〜20:00 火曜休
 最近出来た「道の駅おたり」に併設されている温泉に引き湯をしている源泉が、この来馬温泉である。 風吹荘という名前は、風吹大池への登山口にあたる為名付けられている。 この湯は姫川の水害により被害を受け一時休止していたが、掘削し直して復旧したそうだ。 知名度が低い為か、このお湯にやって来るのは地元の住民か、よっぽど温泉好きな人と見受けられる。 食堂では風呂上りに一杯やっているおじさん方で盛り上がっているのを横目に、浴室へ向かう。 脱衣所で成分分析表を見ると、この付近では珍しく成分が比較的濃厚なお湯で、期待が高まる。 浴室は割と広く、洗い場もたっぷりあり、日帰り温泉としてはまずまずの印象。 まず、目についたのが茶褐色のお湯と、大量の細かい茶色湯の花だ。 成分が濃厚なことは、析出した成分がタイルにこびりついて茶色に染まっていることに象徴されている。 泉質的には小谷温泉に似た雰囲気の熱めのお湯。お湯に入ったり出たりを繰り返す。 三方を山に囲まれ、残る一方が姫川に面しており、ちょっとした高台にあるので、窓からの景色はなかなか良い。

白馬八方温泉「第二郷の湯」 400円 12:00〜21:00 火曜休
 白馬八方温泉ある外湯の一つで、お気に入りのお湯のひとつ。 白馬八方温泉には、白馬三山の眺望が素晴らしい「みみずくの湯」、駐車場の広い「第一郷の湯」が一般的に知られている。 ここは、駐車場も狭く、ちょっと分かりにくい所にある為、観光客が来ることはほとんどない。 男女別の六角形の浴舎が二つ繋がった風変わりな造りになっている。 源泉は、小日向の湯(露天風呂)から引かれており、かなり熱めの湯。 六角形の浴室に、これまた檜の六角形の浴槽。以前は、浴室の中央に正六角形の浴槽だったのだが、 浴槽を拡張した為、いびつな形の六角形になっている。 洗い場のシャワーの数も以前より増えており、観光客よりも地元民の需要の多さに対応したものと思われる。 浴槽の真中に建物を支える柱が立っており、そこが湯口になっている。 無色無臭の熱い湯をがまんして口に入れると、かすかに硫黄の味が感じられる。 浴室の窓は曇ガラスの為展望は全く利かない。山側の窓を開ければほんの少し山が見える程度だ。 ペンション街に近く、熱めの湯であるが、広々とした浴槽でゆっくりできる為、おすすめのお湯である。 5年ほど前からちょくちょく利用しているのだが、白馬に滞在して、回数券を買って何日も通ってみたくなるお湯である。

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