バナー 信濃温泉巡り第二章
2001.09/19〜09/24

旅行者 まぶりん麻呂、ちえりん
(注)温泉名 施設名 料金 営業時間 定休日

9/24
 白馬での滞在を終え、温泉巡りも今日で最終日になってしまった。 長野オリンピックの時に出来た、通称オリンピック道路を使い、長野方面へ車を走らせる。 途中、カーナビの表示に小岩岳温泉という表示が現れたので、びっくりして車を停め、持参の地図で確認する。 地図には載っておらず、建物を見るとそれほど新しいものではないので不思議なこともあるものだ。 快晴で北アルプスの眺めがいいので、途中小川村のアルプス展望台に立ち寄る。 ここは、知る人ぞ知る穴場かと思っていたら、以外にもたくさんの人で賑わっていた。 高台で前に遮るものがない絶好のロケーションの為、北アルプスの180度の絶景が広がる。 双眼鏡持参の人が多く、「山小屋が見えた」とか結構盛り上がっている。

 白馬と長野はオリンピック道路により、1時間足らずで車で移動できるようになった。 この道は、高低差が少なく割と平坦なので、オリンピックの時にこのルートで新幹線を白馬まで通し、大糸線経由で北陸へ抜ける というのも一興だったと思った。最近JR西日本は、大糸線の本数の削減を打ち出している。 数年前の水害以来、利用客が激減しているのが致命的だ。こんな狭隘な地盤の悪い姫川沿いに、フル規格の新幹線など全く実現するはずもないが、 試験運転が行われているフリーゲージトレインなら可能ではないかと思う。 旅行はたいてい電車で移動するのだが、夏場に長野、白馬、安曇野、乗鞍を訪れる時は、効率よく行動する為に車での移動を余儀なくされている。

 川中島古戦場跡で持参の携帯食料で早めの昼食にする。この日は敷地内にある博物館が無料開放されている為、家族連れで公園も賑やかだ。 展示コーナーは一通りざっと目を通すだけだったが、中世の歴史のブースではたっぷり時間をとり、川中島の合戦を中心としたビデオを 最初から最後までじっくりと鑑賞する。川中島の合戦では、上杉謙信と武田信玄の一騎打ちがとかく有名だが、個人的には信玄の弟である 典厩信繁が好きである。武田家の中でも特に武勇に優れ、稀代の軍師と呼ばれた真田幸村の本名が信繁であり、武田信繁にあやかって 名付けられていることは、ほとんど知られていないのが残念である。

武田信繁は川中島の合戦にて不運にも討ち死にし、亡骸は近くの典厩寺に葬られている。 川沿いにある典厩寺を早速訪れてみると、なるほど由緒ありそげな立派な山門が出迎えてくれる。 一応拝観は有料であり、受付には昼休みの為か誰もおらず、呼び鈴を押しても出てこないので、二人分の料金を置いておく。 入って左手には、巨大な閻魔大王の像が安置されている建物がある。右手には、典厩信繁に関する秘蔵の品が収蔵されている宝物館がある。 扉が開いていたので、中へ入り、電気を点ける。点数的にはそれほどの数はないが、肖像画や信繁が実際に愛用していた品々などがあり、 ファンにとっては垂涎ものばかりであった。境内には首洗い塚や慰霊碑などがあり、鈍感な自分でも典厩信繁の強い霊力がこの地に存在しているのを感じた。 長野自動車道の長野ICを越え、松代の町へ入って行く。長野電鉄の松代駅と長野ICがあり、長野からも近く温泉と歴史で有名な町である。 前に温泉に入りに一度訪れたことがあるが、今回は温泉と共に大好きな真田家の旧跡も訪れてみることにした。

加賀井温泉「一陽館」 300円 08:00〜20:00 無休
 付近にある松代温泉のひとつとして紹介されることが多いが、正式には加賀井温泉を名乗っている。 温泉ガイドによると女将さんの気まぐれで宿泊も受け付けていたそうだが、現在は入浴と休憩のみの営業となっている。 細い道沿いの駐車場に車を停め、温泉の左側にある建物で料金を支払う。 この温泉の名物でもあるご主人が出てくると思いきや、不在なのか別の方が出てきたので少々がっかりした。 以前訪れた時には、温泉について懇切丁寧に教えてくれ、おまけに松代の観光マップまで頂戴した。 浴場のすぐ隣にある源泉槽を見学する。ごぼごぼと勢い良く湧いているその姿を見て、洗濯機と自ら命名した。 炭酸ガスで大量に発生する泡は、まるで洗剤の泡の様で、時々洗濯機が回るようにお湯が勢い良く流れて行く。 源泉から出たばかりのここのお湯は、空気にほとんど触れていない為、透明のままだ。

 古くからの湯治場を思い出させるような、鄙びた内湯は長野市内にあるとは到底想像出来ない。 男女の境の壁側に幅2m、奥行10mの細長い浴槽。浴室と脱衣所が一体になった造りになっている。 浴槽が細長い構造上、お湯が酸化していくのがはっきりと分かる。浴槽のお湯は基本的に赤茶色だが、酸化の関係で緑がかった色に見える所もある。 これほどの成分の濃さは、実際に見れば一目で分かる。析出物の多さの為に湯口、浴槽の縁、浴室の床など至る所が茶色に変色しまくっている。 湯口のお湯を舐めると鉄錆のような匂いと味で、お世辞にも美味しいとは言えない。

しかし、個人的におすすめなのは混浴露天風呂だ。内湯に比べて供給されているお湯の量が多い為、お湯がそれほど劣化せず浴槽の縁から 常にオーバーフローしている。男女とも、それぞれ内湯から裸でタオルをまとって移動するという、まさに秘湯でしか味わえないそんな所にも 心惹かれるものがある。この露天は人気があり、内湯が空いている時でもこちらはいつも賑わっている。 女性はバスタオル巻きが許されているので、常連のおばさんは平気でこちらへ入って来る。 男女の分け隔てなく、おおらかな露天での和やかな雰囲気はまさに秘湯ならではの味わいそのものだ。 湯口から出ている大量のお湯は、内湯と異なり透明である。浴槽は2つあり、お湯の劣化が進んでいない(酸化が進んでいない)薄茶色の 湯の奥の浴槽が特に人気がある。湯口に近い所に入っていると、内湯では感じられなかった炭酸の気泡が体中にまとわり付いて来る。 鄙びた浴舎、強烈な個性を持つお湯、のんびりとした雰囲気、その反面ICや駅から割と近いというアクセスの良さで本来の意味での秘湯の イメージとは異なるが、それでも温泉フリークには是非とも一浴をおすすめしたいお湯である。

加賀井温泉「寿楽苑」 300円 09:00〜20:00
 一陽館と目と鼻の距離にある温泉旅館。正面には黒猫大明神という神社があるので、見つけやすい場所にある。 一陽館とは趣が異なり、ごくありふれた古びた温泉である。料金を払って浴室へ向かう途中に卓球台が置いてあるので、 やってみたい衝動に駆られる。しかし、壁に貼ってある料金を見ると、なんと30分500円とある。 たった30分でも入浴料よりも高いではないか!ばかばかしくなって、あきらめて浴室へ向かう。 もっとも宿泊客は、無料で使えるのかも知れないが…

 浴室に入ると、手前に温泉ではない、白湯があり、シャワーやカランがある。 ここで体を洗ってから温泉に入るしきたりになっているのであろう。シャワーで軽く体を流し、扉を開けて奥へ向かう。 そこには、黄土色のお湯が満々と満たされた極上の湯があった。一陽館の内湯が若干緑がかっていることと比較すると、 こちらの方が色鮮やかなお湯である。見た目には、泥の中に入って行くような錯覚を禁じ得なかったが、 個人的な主観では、一陽館の内湯のお湯と比較して寿楽苑の方がフレッシュな感じを受けた。 浴室の雰囲気では一陽館には及ばないが、いかにもお金をかけていない掘っ立て小屋のようなブロック塀とトタン屋根に鄙びた風情を感じる。 粗末な外壁を全部取っ払って露天風呂にした方がいいのではないかと、個人的には思った。 残念ながら湯口はおじさんにずっと占拠されており、頃合を見計らって飲泉すると、ここも鉄錆のような匂いと味がする。 湯口から遠い所に入っていたにもかかわらず、一陽館の露天と同様炭酸の気泡がまとわり付いて来る。 ここは、入浴客の出入りはほとんどなく、込み合っている一陽館の露天に比べればゆったりとした湯浴みを楽しむことが出来る。

 新幹線の時間までかなり時間があったので、松代にある真田家の旧跡を訪れることにする。 途中、長野電鉄松代駅の駅舎やホームの撮影をする。長野電鉄の駅には昔ながらの佇まいを残す味わい深い駅が多い。 駅周辺が再開発されている中、よくぞ生き残ったと言える木造二階建ての古い駅舎である。 最近、旅行雑誌に松代駅が取り上げられており、なんと硬券の乗車券を扱っているとのことである。 常々温泉と鉄道の融合を模索している者にとって、これほど良質の温泉と昔ながらの駅舎との組み合わせに出会えるのは稀である。 しかもここ松代は、敬愛する真田家ゆかりの場所である。本来であれば、松本電鉄で未乗の河東線の屋代〜須坂を楽しみながら 途中下車して、じっくり腰を据えて町並みを散策してみたい所である。2002年3月末に木島線の廃止により、木島駅からバスで 野沢温泉へ行くルートが絶たれてしまう。残るは未乗の山之内線の信州中野〜湯田中と湯田中・渋・上林・角間の温泉との組み合わせである。

 九代藩主幸教の母の隠居所として建てられた真田邸は、内部は非公開ながら、南側に広がる小堀遠州の流れをくむ庭園からその一部をのぞく ことができる。真田宝物館は、真田氏ゆかりの品々を展示しており、武具や甲冑、調度品、書画など約2万5000点を収蔵している。 想像以上の展示点数であった為、じっくり見て回ることができなかったが、かなり充実した内容で満足した。 松代藩文武学校は、九代藩主幸教が開校した藩校の跡で、文学所・御役所と剣術所・弓術所・柔術所など、開校当時の姿を今に伝えている。 松代から長野へ戻り、レンタカーを返し、長野新幹線であっという間に家路に着いた。

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