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信濃温泉巡り第二章
2001.09/19〜09/24

まぶりん麻呂。ちえりん
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(注)温泉名 施設名 料金 営業時間 定休日

9/21
田沢温泉「有乳湯(うちゆ)」 200円 09:00〜22:00 水曜休
 朝食を1階の食堂で食べ終え、ロビーのテレビを見た後、隣の共同浴場「有乳湯」へ向かう。 周りに数件の温泉旅館が並び、奥に共同浴場があるのは霊泉寺温泉に似ている。 以前はコンクリートモルタル造りで、それこそ霊泉寺温泉のそれとよく似た造りだったそうだ。 2000年の夏に改修され、みちがえるほど綺麗になり、お湯もその時にボーリングしたものだそうだ。 ここにはその昔、山姥が湯治に来て、大江山の鬼退治で有名な坂田金時(金太郎)を産んだという伝説が残っている。 子のない婦人が37日、乳の少ない婦人は27日入浴すれば効き目があらわれるという話が今でも生きている。 子宝の湯、子持ちの湯、はらみ湯などの呼び名があり、婦人病にも効き目があるとされている。

 温めの透明な湯は硫黄臭が漂い、入っていると細かい泡がたくさん体に付いてくる。 「ますや」のお湯に比べて加熱していない分、硫黄臭と強烈な泡付きを感じた。 施設が近代的になったのは少々物足りなく、万人向けと言える。 一人ずつ仕切られている洗い場は、新しい施設には意外と少ない為、その点ではかなり評価できる。 硫黄泉で温めという温泉は他では、熊本の奴留湯(ぬるゆ)温泉くらいしか体験したことはない。 温い湯、硫黄泉好きにとっては、かなりお気に入りのお湯になった。 ちなみに入浴料は200円ですが、ますやさんに宿泊すれば、100円の券を譲ってくれるそうだが、それを知ったのは入ってからであった。 隣に共同浴場がある温泉旅館は時として、割引サービスもしくは無料サービスを行っているケースが往々にして多い。 鳴子温泉の「ゆさや」に宿泊し、隣の「滝の湯」に入った時もそうであった。

 宿へ戻り、卓球室や建物の撮影する。松坂慶子の卓球のシーンのポスターも忘れずに撮影する。 ロビーには撮影時に使われた、下駄や台本などが展示されており、しばし見入ってから「ますや」を後にする。 上山田温泉へ向かう道すがらに最近立派な施設が出来た室賀温泉へ向かう。 正確な位置ははっきりしなかったが、カーナビでおおよその位置をつかんで行ったら、結構あっさりと見つかった。 曲がる交差点などはっきりしない時は、初めての場所の時は、やはりカーナビ付きに限る!

室賀温泉「ささらの湯」 400円 06:00〜21:00
 駐車場には朝顔とコスモスが見事に咲き誇っており、しばし見とれる。 朝顔の花期が長いのか、コスモスと同時に咲いている光景は、野沢温泉や真田村でも見られた。 平日というのに朝早くから多くの車が、既に駐車場に停まっている。 温泉施設や休憩スペース以外にも食事処、農作物直売所、アートギャラリーなどが併設されている。 周りの景観を損なわない様に、これでもかと木を生かした造りで、特にエントランスの二重の木の扉には圧倒される。 温泉施設のある別棟へ向かう、長い渡り廊下はギャラリーになっており、駐車場の朝顔の写真も作品となって掲げられていた。

 脱衣所も極力天然素材を使用し、清潔でかなりゆったりとしたスペースが確保されている。 和のイメージを追求している、大きめの照明設備は気に入った。ここの脱衣所は、ちょっとした高級温泉旅館顔負けである。 浴室の入り口には、掛け流しを謳っている説明書きが目立つように掲げられている。 内湯の檜風呂は、浴槽から湯がオーバーフローしており、吸い込み口も見つからない。こちらは確かに掛け流しの様だ。 露天は残念ながら循環の模様だ。展望はそれほど開けていないが、景色はまずまずである。 僅かに硫黄臭がするお湯は、この地域の温泉に共通しているものである。 湯上がりには牛乳瓶の自販機で、地域限定?のかりん牛乳を飲む。

 日本三大車窓展望である篠ノ井線姨捨駅を訪れる前に、もう一浴ということで一番近い戸倉上山田温泉を目指す。 室賀温泉より奥へ行くと道はどんどん細くなり、高度を上げ、室賀峠を越え千曲川の西岸に至る。 北西方向へ車を走らせると、程なくしてお目当ての上山田温泉に着いた。千曲川西岸は上山田温泉、東岸は戸倉温泉となっている。 持参した地図で場所の特定が出来た「つるの湯」を目指し、赤十字病院付近の路地を入り無事に見つけることが出来た。

上山田温泉「つるの湯」 500円 10:00〜21:00
 2001年6月に立て替えられたばかりで、リニューアルして料金は5倍になってしまった。 なまこ壁とレンガ風の煙突で、大正ロマンをモチーフにしているとのこと。 中に入り、浴室へ向かう途中に無料で計測できる血圧の測定器があったので、早速計ってみる。 自分はいわゆる白衣性高血圧とよばれる症状で、看護婦さんに血圧を手動で計ってもらうと、いつも血圧が高くなる。 ここで計測してみたら、案の定血圧は正常であり、長年の高血圧の恐れは杞憂に過ぎないことが分かった。 源泉は、上山田温泉(株)源泉(26,27,30,32,35,40,43,46号)を使用しており、手前に広めの浴槽で温い湯(40.2℃)、 奥に小さめの浴槽で熱い湯(42.3℃)がある。湯温はデジタルの湯温計が表示されており、分かりやすくてなかなかよろしい。 やや黄色がかった硫黄泉で湯量豊富で掛け流しである。結局どこから湯が供給されているか分からなかったが、 その代わり興味を引いた仕掛けを見つけた。浴槽の外に筒状の物がいくつか聳え立ち、上部は格子状になっており、そこから湯が出ていた。 決して湯を供給する為の仕掛けではなさそうだ。上部には黒い湯の花のようなものが付着している。 ということは、もしかしたら湯の花を除去する装置なのだろうか? 平日のお昼時のせいか、浴室にはもう一人しか居らず、洗い場の所で体を洗っていたので、ほとんど貸切状態に近かった。

 上山田温泉を後にして篠ノ井線姨捨駅へ向かう。天気予報によると今日から天候が崩れるとのことで、次第に雲行きが怪しくなってきた。 姨捨駅に着いた時、ぱらぱらと雨が降ってきた。手早く駅舎やスイッチバックの模様を撮影する。 鈍行列車に乗って、何度か姨捨駅から善光寺平の眺めを見たことがあるが、車で訪れたのは初めてだ。 じっくり眺めるには、やはり途中下車をして眺めるのがいいのだが、車の便利さにはかなわない。 かつては有人駅であったが、時代の流れには逆らえず無人化され、駅舎内にあったキオスクも閉鎖され、少々寂しい。 姨捨駅からの眺めは、国鉄時代に日本三大車窓のひとつとして認定された。

篠ノ井線 姨捨駅
全国でも珍しいスイッチバック式停車と列車給水の駅として明治33年11月1日に開通。 善光寺平の眺望そして鏡合山から上る月がゆるやかに里に続く棚田や、千曲川に映える美しさは古来よりこの地を田毎の月と呼んでいる。
海抜  547M
勾配  25/1000
ホーム スイッチバック(S式停車場)
車窓  日本三大車窓の一つ
     肥薩線大畑(おこば)(熊本県)・根室本線狩勝(北海道) 現在は路線切替によりトンネル内を走っている。
眺望  九つの駅が眺望できる
     戸倉・屋代・篠ノ井・川中島・安茂里・長野・北長野・三才・稲荷山

 [記事引用]姨捨駅ホームに掲げられている案内書

 姨捨駅から国道403号を西へ向かう。雨足は一層激しくなり、霧で視界が不良。 峠越えの坂道だが割と走りやすい。晴れていれば気持ちがいいワインディングロードなのだろう。 聖湖畔に出るが、生憎霧で真っ白で何も見えない。麻績ICから長野道へ乗る前に、通称「宮本のお湯」と呼ばれる温泉に立ち寄る。

みたらし温泉「麻績村福祉センター」 350円 10:00〜20:00 月曜休
 ここは、聖高原駅や麻績ICに近い割にあまり知られていない温泉。外から見たら村役場か何かにしか見えず、 まさかここに温泉があるとは思えない。掲出の料金は外来入浴の場合で、地元民の場合は年齢別に細かく料金設定されている。 受け付けには、意外にも村の職員だろうか若い女性が出て来た。お湯は冷鉱泉の為沸かしているが、循環ではなく掛け流しの模様。 湯口から出ているのは温度の低い源泉の様でなかなか好感が持てた。 少ないながら白い湯の花が浮き、やや白濁した湯でほんのりと硫黄臭が漂う。 あまり期待していなかったが、料金も安く、予想外に良かったので長野道を利用する時は、またぶらっと訪れてみたくなった。 今回は先を急ぐ為利用しなかったが、90畳もの大広間があり、ゆっくりとくつろぐには良さそうだ。

麻績ICから長野道へ乗り、豊科ICで降りる。最近豊科ICで降りることが多い為、この辺の地理には滅法強くなっってきた。 勝手知ったる抜け道を使い、一路白骨温泉へ向かう。国道158線の安曇村役場の手前に竜島温泉の幟を発見する。 時間も遅く、天候も悪いので、帰路に立ち寄ることにする。白骨温泉と言えば泡の湯旅館の広大な露天風呂が有名だ。 営業時間が10:30〜13:30と短かく、早めに行かないと駐車場が一杯になってしまうのが玉に傷だ。 最近日帰り専用の外湯がオープンしたそうだ。大理石の内風呂と石造りの野天風呂があり、営業時間も17:00までと延長された。

白骨温泉「かつらの湯丸永旅館」宿泊 10,000円〜15,000円
立ち寄り入浴 500円 11:00〜15:00
 ここは本来であれば秘密にしておきたいくらい、高い精神性を感じさせる名湯。 巨大露天風呂で有名な泡の湯旅館の前にある、静かでこじんまりとした宿。 到着後早速お風呂へ向かう。後で知ったことだが、立ち寄り入浴も可能とのこと。 内湯は、年季の入った檜造りの浴槽に濃厚な乳白色の硫化水素泉が掛け流されている。 湯の成分が浴槽のや床に付着し、白く塗りたくった様になっており、迫力を感じさせる。 本当に昔のままの造りで、シャワーこそ付いているが洗い場はひとつしかない。白熱灯の柔らかい光が、古い湯治場の風情を今に伝える。 大好きな乳頭温泉郷の鶴の湯を彷彿とさせるような、個人的にはかなり好みの風情である。 湯口から飲泉すると酸っぱい成分が五臓六腑にしみわたり、内湯の風情とあいまって、茶の湯の精神にも似た厳かな境地になる。

 内湯のガラス窓を開けると、すぐそこは露天になっている。露天はかえでや岩を組み合わせた庭園風で風雅の極みと言える。 乗鞍岳を借景とした石川丈山風の和風庭園を思わせる造りで、紅葉の時期にはさぞかし情緒溢れる湯浴みが楽しめそうだ。 手前には源泉からの湯が竹製の樋を伝って流れている。加熱しているのか、時々ボイラーの運転している音が聞こえる。 この露天は相互リンクしている方が絶賛していたので、是非とも入りたかった。今回やっと念願が果たせた。 腰掛ける為に底に所々に岩が配してあり、滑りやすい上に岩が見えない為、ゆっくり進まなければ危険である。 実際自分も何度も転びそうになったが、後から入って来たおじさんは見事に転んで、足を傷付けてしまった。 露天は混浴であるが、フロントでバスタオルを貸してくれる為、女性でも安心して入ることが出来る。 誰も入ってこない間に撮影を済ませる。その内宿泊客らしき男女のグループが入って来て賑やかになる。 気がつけば結局一時間半ほど長湯をした。こんなに長湯をしたのも久しぶりで、今回の旅の中でも一番のお気に入りのお湯になった。 この日は雨天ということもあり、大変冷え込みが厳しく、暖房を入れなければかなり寒かった。 難を言えば安い部屋は館内に暖房が入っておらず、洗面所やトイレが離れていることくらいだが、お湯の良さを考えれば些細な事だ。

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