外壁にツタの絡まったナチュラルな感じのカフェ。小田急線の車内の窓にへばりついて見ていると、下北沢の手前のスポーツクラブの付近でチラっと見える。天然酵母のパンとマフィンが売りの開店直前には必ず行列が出来るという人気カフェ。駅からちょっと遠いけれど熱烈なファンの多い店である。鎌倉のディモンシュで働いたことのあるチクちゃんの天然酵母のベーカリーが発展してカフェとなったそうだ。
良質なカフェの宝庫である下北沢にあって、このカフェは別格のような風格を感じた。それは鎌倉のディモンシュや京都のefishにも通ずる居心地の良さにあると思う。少々手狭な店内ではあるが、東京カフェマニアの記事で見つけた赤い読書灯の置いてある一番奥の個室席のような場所に座ることが出来た。実は夜のカフェ巡りに数日前に訪れたのだが、フードメニューが終了してしまったとのことでやむなく撤退を余儀なくされた。開店前に行列に加わり、店内に入ってみると夜のように暗い雰囲気なのでびっくりした。
この店の魅力は人気にどこにあるのだろうか?人気に乗じて店舗を拡大したりせず、初心を忘れず手狭であってもほのぼのとした優しい接客態度と清潔感溢れる店内にある。もちろんパンやスープも美味しいのだが、それ以上に忘れられないのが心温まる接客態度だ。数日前の夜座ってからしばらくしてメニューを注文しようとした時に、フードメニューが終了してしまったことを何度も丁寧にお詫びされた。こちらの方がかえって恐縮してしまい、その時にまた訪れてみようと思った。数年後には小田急線の梅が丘〜東北沢が地下化されるので車内からcicoute cafeが見えなくなってしまうのが少々残念だ。