保津峡駅
もともとの保津峡駅は1936年開業。1989年3月5日に山陰本線が電化の際に線路の付け替えにより現在の位置に移転となった。
山陰本線の旧線は、嵯峨野観光鉄道がトロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅まで間に観光用のトロッコ列車を走らせている。
現在の保津峡駅が開業した際は京都寄りの斜面に取り付けられた階段で旧駅であるトロッコ保津峡駅と行き来が出来るようになっていたが、
現在は残念ながら連絡階段は封鎖されている。その代わりに福知山寄りに瀟洒な駅舎が建てられている。
市街地から10分から20分という距離は、何故か関西における秘境駅に共通事項になっている。神戸電鉄の新開地から菊水山、
福知山線の宝塚から武田尾という意外な近距離にあるので関西の人が羨ましい限りだ。
訪れたのは2003年7月20日の夕暮れ時。この日は朝から飯田線の田本、金野という一級の秘境駅を訪れていた。
東海道線を乗り継ぎ京都までやって来る間にどうしても先に保津峡駅に下車してみたくなり、時刻表を繰って調べたところ日没までにたどりつけることが判明した。
トンネルとトンネルの間にかけられた橋の上に列車が止まるというのもなかなか珍しいものだ。
限られた滞在時間を有効に使おうと忙しく撮影をしていると、眼下を流れる保津川のほとりには多くの人々が涼を求めて集っているのが目に止まった。
対岸の岩の上から一人ずつ保津川に向かってダイブしている光景も見られ、京都市内の納涼スポットとして地元の人にはこの地が定着していると思われた。
京都寄りのホームの端に行くと旧線であるトロッコ列車の軌道と、トロッコ保津峡駅を見ることが出来る。
制限時間ギリギリまで待ってみたがお目当てのトロッコ列車は姿を現さなかった。
トンネルと橋で作られた直線的な線路を上り下りの特急列車がものすごいスピードで通過して行くのを見ると、まるで別世界の出来事のように思われた。
京都に訪れた際は鈍行列車で10分と近いので、時間が余った際に訪れることをおすすめするが、快速列車は停車しないので注意して下さい。
取材年月日2003年7月20日