箱根登山鉄道
小田原〜強羅間15.0kmを結ぶ、アプト式以外の鉄道では日本一の急勾配の登山鉄道。最急勾配は80パーミル(1,000mの間に80mの高低差)で大平台付近の連続するスイッチバックは有名。スイスのベルニナ鉄道と姉妹関係にあり、新型車両にはスイスにちなんだレリーフが飾られている。箱根湯本〜小田原間は箱根登山鉄道の標準軌と小田急の狭軌との併用区間でレールが3本ある。2006年のダイヤ改正で小田原〜箱根湯本間が全列車小田急の乗入運行となったため、三線軌条は廃止されたが、入生田車庫付近では、車庫入場用に三線軌条が残っている。ハイシーズンには箱根湯本駅で積み残しが多いので、小田急線急行は先頭車両に乗車した方が良い。
■箱根登山鉄道の旧型車両100形(モハ1形104・106号とモハ2形108号)は、老朽化と部品調達の困難さから、2028年1月に定期運行を終了する。これらの車両は1919年の開業時から走り続けた、国内最古の定期運行普通鉄道車両だ。
形式: モハ1形、モハ2形
引退理由
老朽化と部品調達の困難: キャンバス張りの屋根の張り替えができる技術者が定年退職し、代わりの専門業者がいないことや、その他の交換部品の入手が困難になっているため。
車両の特徴
国内最古の現役車両: 1919年の箱根登山鉄道開業から活躍しており、定期運行する普通鉄道の電車としては国内で最も古い車両。
レトロなデザイン: ペンキ塗りの木製内装、昔ながらの荷棚デザイン、下から大きく開く客室窓など、昭和初期のレトロな雰囲気を残している。
車体: 1950年代に木造から鋼鉄製に改造され、現在は3両1編成で運行している。
今後の予定
引退: 2028年1月に運行を終了。
記念商品: 引退を記念して、3両を再現した模型車両「オリジナル鉄道コレクション」を数量限定で販売予定。
代替車両: 2028年度に新型車両を導入する予定。
過去の引退車両
■箱根登山鉄道の旧型車両モハ2形110号は、2017年2月12日に営業運転を終了し、引退した。
形式: モハ2形
引退時期: 2017年2月12日
引退理由: 老朽化に加え、2014年に新型車両「アレグラ号」がデビューしたため。
記念イベント:
復刻塗装: 引退前に昭和20年代後半の青と黄色帯の塗装に変更した。
貸切運行: 最終日を含め、3回の貸切運行が実施された。
フォトコンテスト: 110号車両を題材にしたフォトコンテストが開催された。
記念商品: 「箱根登山鉄道モハ2形110号鉄道コレクション」が発売された。
■箱根登山鉄道の旧型車両モハ1形「103−107編成」(103号と107号)、2019年7月19日の貸切運航を最後に引退した。
形式: モハ1形
引退時期: 2019年7月19日
引退理由: 老朽化に加え、2014年に新型車両「アレグラ号」がデビューしたため。
特徴: 吊り掛け駆動方式を採用しており、走行時に独特の低い駆動音がするのが特徴だった。
代替: 103−107編成以外の車両は、すでにカルダン駆動方式に改造されていた。
引退後の車両の動き
103号: 日本工業大学へ譲渡され、同大学の工業技術博物館で静態保存・教材として活用されている。
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107号: 鈴廣蒲鉾本店へ譲渡された。
記念イベント
引退記念ツアー: 2019年7月には、引退を記念した貸切ツアーが複数開催された。
記念グッズ: 記念乗車証明書や限定グッズも配布された。
■箱根登山鉄道の旧型車両モハ2形109号は、2021年3月21日に営業運転を終了し、引退した。
形式: モハ2形
引退時期: 2021年3月21日
引退理由: 老朽化に加え、2014年に新型車両「アレグラ号」がデビューしたため。
経歴: 1927年に登場した木造車チキ2形9号の走行機器を流用し、1955年以降に鋼製車体を組み合わせて製造された。
特徴: 箱根登山鉄道に残る数少ない旧型車両の一つで、90年以上にわたり箱根の交通を支えてきた。
最終塗装: 2019年には箱根湯本〜強羅間の開業100周年を記念して、1935年〜1949年頃の塗装に塗り替えられた。
引退: 車両の老朽化に伴い、2021年3月をもって営業運転を終了した。引退に際しては、ラストラン方向板の掲出や車内での写真展示などが行われた。
取材年月日 2010年1月09日、2010年1月11日































