このカフェは優れた自家焙煎珈琲の店ばかりを紹介している自家焙煎珈琲店めぐりで見つけた。現在住んでいる相模大野は、東西南北に自家焙煎の店が点在するという全国でも非常に珍しい地域である。恐らく私鉄沿線では屈指のレべルと数を誇っていると思う。そのわりには珈琲の美味しいカフェが少ないのが玉に瑕だが…スペシャルティコーヒーのパイオニアとして堀口俊英氏が経営する珈琲工房HORIGUCHIの豆を仕入れていると思われるこの店は、玉川学園前の駅前という好立地にある。珈琲工房HORIGUCHIの豆は高品質で豆を安定的に供給していることで有名であるが、その系列店が身近な場所にあることを知り何度か訪れてみた。
初めは会社帰りにコーヒー豆を買い求めていたのだが、自宅近くの自家焙煎の店で出会ったエクセプショナルカップに入賞したグアテマラの豆をここでも取り扱っていることを知り、やはりただものではないと感じた。この店はアイスコーヒーひとつをとっても丁寧に淹れるような温かみがあっていいのだが、いかんせん席数が多すぎて繁忙期には手が回らなくなる状況となる。相互リンクさせていただいていた、やまChanのペンギンのマグカップでもこのカフェを次のように評価している。「テーブルの配置にあんまり余裕がなくて窮屈なのがちょっと気になりましたが…」とある。思い切って席数を減らしてみたらいいのではないでしょうか?駅近、禁煙、自家焙煎という理想的なカフェの形態でありながら、唯一の欠点がテーブルの配置のまずさだ。
もちろんここのコーヒーは他ではなかなか味わえない本物のスペシャルティコーヒーが売りなのであるが、大抵の客はトーストやパニーニといったセットのフードメニューを注文している。パニーニのラージサイズのセットを注文したら予想をはるかに越えたボリュームで驚いた。セットのフードメニューは、恐らく玉川学園の学生を意識したもので朝8時から昼の14時まで行っているおすすめメニューだ。小説家の森村誠一氏がこのカフェの常連だそうで、氏の名前のついたコーヒーがメニューにあったりしてスノビッシュな雰囲気がそこはかとなく漂う。ストレートコーヒーは店頭で販売されているものをチョイス出来るシステムなので、かねてから贔屓にしているエチオピアのイェルガチェフェを迷わず注文する。
妻は、大好きなウィンナーコーヒーと息子用にとフレンチトーストを注文する。フレンチトーストって黄色い卵の色を想像していたのだが、チョコレートシロップがかかっていたり生クリームが添えられていたりと甘めのデザートといった感じだが、息子は初めて食べるものにもかかわらず本能的に美味しいものは分かるのだろうかパクパクと食べている。あたりを見渡すと来たときは貸切状態だった店内はお昼時ということもあってそこそこ混雑してきた。初めは気にならなかったが、隣に人が座るとやはりテーブルの配置の余裕のなさが目立って感じられるようになる。本業であるコーヒー豆に関してはインターネットでも注文できるのだが、届くまでに若干日数がかかる上に直接店で買ったものの方が新鮮だったと記憶している。