元町通りの先に2001年11月にオープンしたCafe。老舗ホテルであったバンドホテルの跡地に建ったドンキホーテの隣にある。自分の記憶では、この建物自体は昔からあったものを改装していると思われる。元町から場所が離れている為、ここまで来る客は少ないと思われたが、ドンキホーテのおかげで意外と人通りが多い。
ここの特色はオーナーが犬好きであることで、店内の棚にはワンちゃんのぬいぐるみ、写真、雑誌などが所狭しと置かれている。もちろんワンちゃんを連れて来てもいいそうだ。一番びっくりしたのはトイレの中にまでワンちゃんの写真が飾ってあったことだ。入ってまず目に付くのは、ずらりと並んだリキュールなどのアルコール類の瓶だ。ここはカクテルやワインをはじめとしたアルコールも楽しめる、いわゆるカフェバー範疇に属する店である。しかしながらありきたりのカフェバーではないのは、オリジナリティー溢れるメニューの数々から読み取ることが出来る。
店の前の看板にも掲げられているワンちゃんの足跡マークをミルクの泡で浮かべたカフェラテ、焼きプリンのアイス、バナナの春巻バニラアイス添えなど他ではちょっとお目にかかれないものばかりである。気分的にジュースが飲みたかったので、マンゴージュースとパイナップルジュースを注文した。濃厚なのでちょっと時間を置いて、グラスの氷が溶ける頃を見計らって飲むと丁度いい濃さになる。季節柄暖かくなってきたので、ビール、コーラ、ジュースといった飲み物が多く出ていたようだ。カクテルを含めて、特に飲み物のメニューが充実しており、甘党でも左党でも対応できるカフェとしても注目に値する。
入って左手のカウンターに座ってみたのだが、ここから店内をすべて観察することが出来るのでおすすめだ。振り向けばかわいらしいワンちゃんのぬいぐるみがあり、ふっと心を和ませてくれる。この席からは、カウンター内で作業をする一部始終が手に取る様に分かり、その手際の良さに関心した。特に注目したのは、焼きプリンのアイスの盛り付けがバリエーション豊かであったことだ。
ポップな感じの椅子は弾力があり、見かけ以上に座り心地が良い。店内を見渡して気がついたのは、ひとつひとつのテーブルの間隔が実に広くとられており、ゆとりが感じられることだ。元町あたりの雑踏の中にあるせせこましいカフェとは一線を画している。窓の外は高速道路の無骨なコンクリートが並び、決していい眺めとは言い難いが、高い天井と白熱灯の優しい光が、控えめで丁寧な店員の対応とあいまってほっとさせてくれる。オープンカフェの席もあるが、ここはカウンターに近い席でのんびりするのがおすすめ。