オーナーシェフである宮東 悠氏は、海外に洋菓子の修行に出た後、代宮山「小川軒」で欧州で学んだ製菓技術とセンスを発揮しました。「小川軒」と言えばレーズンウィッチが有名ですが、「欧風菓子クドウ」の看板商品であるレーズンクッキーもなかなかいけます。小川軒と比べるとさっぱりしていてレーズンの粒が大きいので、この手のお菓子が嫌いだった私の口にすんなりと入りました。
実はこのお店南林間の上りホームに面しているので、ずっと前から何のお店なんだろうと学生時代から気になっていました。その頃の南林間は急行列車退避用の側線を持つ堂々とした2面4線の駅でしたので、それこそ列車と軒を並べる様にしていたのが印象的でした。新装なった南林間駅から線路沿いに大和方向へ歩くと「欧風菓子クドウ」はすぐに見つかります。高級感があってお高い感じがするお店ですが、実際入って接客態度に接するとそれを目の当たりに感じたりします。
最近地元で贔屓にしていたケーキ屋さんが廃業したこともあって、今後はこのお店にはお世話になることも多いと思うので視察がてら久々に行ってみました。店の奥の喫茶コーナーへ向かい、窓際の席に座ると息子も厳粛な雰囲気を察知してか、ベビーカーでちんまりとおとなしく座っています。相変わらずのお高い感じのお店でしたが(笑)、残念だったのはクラシックのBGMなどが流れていたらなあと思ったことです。流石に風格のあるお店のせいか、真昼間から身なりの良いご婦人方がふらっと訪れるあたりにこの店の実力をひしひしと感じました。
注文したのはヘルンというチョコレートケーキとココナッツミルクを使ったココパッションというケーキ。特に出色だったのはココパッション。恐らく夏季限定商品と思われますが、ココナッツミルクをケーキに使うのは大変珍しいのではないでしょうか。クセのあるココナッツミルクの上にかかった鮮やかな赤いパッションフルーツのソースとトッピングのベリーが絶妙なハーモニーを奏でています。
左奥には別室があり、素敵なステングラスやシャンデリアがあり大変興味をそそられます。喫茶コーナーとしては使われていないようなのが惜しまれるようなクオリティの高さです。これはまさにオーナーシェフが欧州で見聞してきたセンスを具現化しているものと思われ、一度でいいからこの部屋で寛いでみたいものです。
このお店に対する期待が高いせいか辛口の評価をしたせいか★が著しく少なくなってしまいましたが、ケーキやクッキーの美味しさはこの地域では抜きん出ています。ケーキやクッキーの完成度の高さから見ればかなりおすすめのお店です。本店は南林間ですが、表参道や銀座にもお店があるおかげで結構知名度が高いんです。