足利尊氏の父貞氏の墓があることで有名な古都鎌倉にある浄妙寺の境内に、2000年5月にオープンしたのが石窯で焼いたパンをメニューに出す石窯ガーデンテラスである。入口で拝観料100円を支払って境内に入る。鎌倉五山が制定された頃は七堂伽藍、塔頭二十三院を数えたが火災などで随時衰退し、現在は総門・本堂・客殿・庫裏等が残るのみだ。境内の喜泉庵の前には杉苔を中心とした枯山水の庭園が広がっている。ここの境内は拝観料で潤っているのであろうか、手入れが大変行き届いており復興なった喜泉庵で抹茶をいただいている方がいたが、こちらの庭も素晴らしい。墓地販売中の看板などを横目で眺めながら山道を登って行くと、突然石窯ガーデンテラスの看板が左手に現れる。3時過ぎなのでティータイムで賑わっているらしく、マダムの話し声が盛んに聞こえる。左手の階段を上がると大正11年、ドイツ人の建設者によって建てられた3階建ての洋館が現れる。リフォームして1階をレストランとして使用しているが、その前に広がるお目当てのガーデンテラスの席は満席だった。
今日は鎌倉駅から寄り道をしながら、ここまでずっと歩いてきたので喉がカラカラになっていた。以前から飲みたかった鎌倉の地ビール「鎌倉ビール」がメニューにあったので迷わず注文する。妻は、パンナコッタとアイスオレを注文する。しばらく庭を散策し、洋館や花などを撮影して席に戻るとビールが来ていた。庭から吹いてくる風や鳥のさえずりが歩き疲れた体に心地良く、眺望はそれほど開けていないが鎌倉の自然が楽しめる極上の時を過ごすことが出来た。室内の席からはパンを焼いている石窯が見え、出来立てホヤホヤのパンを販売している。由緒あるお寺とセンスの良いカフェレストランとちらっと見える鎌倉アルプスの組み合わせは新たな発見だった。隣の席のOL風の二人連れがガイドブック持参だったので、ここは既に観光名所となってしまっているのかもしれない。今回は飲み物だけだったので評価は低めにしたが、恐らく次回の取材で評価が上がるのは必至である。この店の真髄はランチにあると思うので、次回はランチを予約してみたいと思う。なぜかスリムな体型の多い店員さんは、感じの良い方ばかりで鎌倉の誇る名店のひとつに挙げておきたい。
画像解像度UP及び画像追加をした折に調べてみたら、いつの間にか公式サイトが出来ていた。石窯パンをテイクアウト出来るイートインスペース「ロータリーカフェ」という施設が出来ていた。イングリッシュガーデンを眺めながらのガーデンテラスで優雅に食事をするのが本命だが、いつも長蛇の列で待たされるそうなので、パン目的の場合はこちらを利用するという手もある。