小田急小田原線富水駅と栢山駅の間に二宮尊徳の生家と尊徳記念館がある。東関東大震災から一ヶ月月後に富水駅から開成駅まで歩いてみた。
富水駅前のいきものがかりのPVに出て来た桜の木が切られていてがっかりしたり、計画停電の影響でロマンスカーが運休していたのが非常に痛かったが、1年後に廃車になった5000形の写真が撮れたのがいい思い出になった。
富水駅から尊徳記念館へ至る道には、用水路や鎮守の森など昭和の時代の名残のようなものが感じられた。尊徳記念館の隣にある生家の敷地西側の桜の目の前にエプーゼという喫茶店がある。
コーヒー色をしたマンションの1階なので非常に目立つが、コーヒー専門店がここにありますよというさりげない主張が感じられた。コンビニはおろか他に食べ物屋がこのあたりには全く無いので、尊徳記念館を訪れた人の需要はこの店の主な収入源になっていると思われる。
入ってみて第一印象は品格高い喫茶店。しかも尊徳生地の前という好立地でありかつ、日当たりもよく眺めもいいので居心地が良さそう。流れている音楽も音量控えめで、訪れる人を暖かく迎えてくれる店の配慮がうかがえる。
常連客と思しき数名の客が各々お気に入りの場所に座っており、コーヒーや食事を単品で頼むとこういうお店はかなり高くつくのだが、ケーキセットやサンドイッチやトーストなどのセットもある。美味しいコーヒーのお店の作るカレーは、必ず美味しいという法則を検証すべく特製カレーライスを注文してみた。
出されたカレーの皿に度肝を抜かれた。皿の縁取りが金色でしかも繊細な装飾がなされており、このあたりにこの店の品格の高さがそこはかとなく感じ取れる。一時期神保町のカフェ巡りをしていた頃、カレー屋でカレーを食べた後に喫茶店でコーヒーを飲んでいたが、カレー屋と喫茶店の住み分けができている神保町ではカレーを提供する喫茶店はないのではとふと思ってしまった。
ライスの量もかなりたっぷり目で、牛肉やじゃがいもが良い感じでとろけそうな感じで美味しくいただきました。コーヒーのカップも格調高いもので、味そのもの以上にカップの与える印象というものが重要な要素だということを再認識させられた。