レスパス・ドゥ・キャデとはフランス語であり、双子の空間といった意味であろうか?マスターの初老のおじさんが一人で切り盛りしている店。姉妹店にレスパス・ドゥ・ラルクという店が町田駅をはさんで反対側にあったが、惜しくも2002年7月に閉店になった。その後復活した噂があったが、再度閉店になっていました。町田駅北口は109がオープンしたりと再開発が盛んであるが、この店は駅から少し離れているので駅前の喧騒とは無縁だ。
店を入って左手にテーブル席があり、カウンターと店の奥にテーブル席がいくつある。インテリアは、マスター同様古くて味のあるものが使われており、居心地の良さそうな店である。深煎りのコーヒーが全盛の中、ブレンドは苦味と酸味が感じられる独特な味わいだ。個性的な味のドリップコーヒーは、濃さが何段階も分かれているが、ドゥミタスを注文する。オレンジピールが効いているチョコレートケーキは、残念ながら品切れだったのでチーズケーキを注文する。出された手作りのチーズケーキを見てちょっとびっくりした。木綿で濾しているのだろうか?表面は木綿豆腐のような風合いで、かなり酸味が利いている独特なチーズケーキだ。上にかかっているソースがなかったらかなり酸っぱいので、そのまま食べる場合にはワインのつまみに合いそうだ。こういう味のあるカフェが健在なのも、カフェ激戦区と言われる町田を象徴していると思う。
8年ぶりにレスパス・ドゥ・キャデを訪れてみた。前回はチーズケーキセットを注文したのだが、今回は昼食を兼ねてホット・サンドとビーフシチューのセットとフルーツケーキとチーズケーキを注文する。ホット・サンドは焼豚・チーズ・玉子を挟んで焼き上げた逸品。ビーフシチューは大きな肉や野菜がごろんと入ったボリュームたっぷり。コーヒーには相変わらず独特な酸味を感じる。チーズケーキは前回とは異なり完全に固まっておらず、チョコレートソースと洋酒漬けのナッツが添えられている。以前と変わらない落ち着いた雰囲気でゆっくりとした一時を過ごすことが出来て幸せな気分になった。