最寄駅は、小田急線のその名も「豪徳寺」。
徒歩15分程度で行き着けるそうだが、路地が込み入っているのでおすすめしない。
世田谷線で山下駅から宮の坂まで一駅乗車するメリットは、別の意味もあるんです。
宮の坂駅構内には世田谷線から江ノ電に譲渡された車両が保存されているのだ。
そういう意味でも世田谷線に乗っていくことをおすすめします。
豪徳寺は、世田谷城主吉良政忠が、文明12年(1480)に亡くなった伯母の菩提のために建立したと伝える弘徳院を前身とする。
天正12年(1584)中興開山門菴宗関(もんなんそうかん)(高輪泉岳寺の開山)の時、臨済宗から曹洞宗に改宗した。
寛永10年(1633)彦根藩世田谷領の成立後、井伊家の菩提寺に取り立てられ、藩主直孝の法号により豪徳寺と改称された。
直孝の娘掃雲院は多くの堂舎を建立、寄進し、豪徳寺を井伊家の菩提寺に相応しい寺観に改めた。
仏殿とその三世仏像、達磨・大権修理菩薩像、及び石灯籠二基、梵鐘が当時のままに現在に伝えられている。
境内には、直孝を初め井伊家代々の墓所があり、井伊直弼の墓は都史跡に指定されている。
ほかに直弼の墓守として一生を終えた遠城謙道(おんじょうけんどう)、近江三大書家の随一日下部鳴鶴(くさかべめいかく)(いずれも彦根藩士)の墓、桜田殉難八士之碑がある。
また同寺の草創を物語る、洞春院(とうしゅういん)(吉良政忠)と弘徳院の宝篋印塔が残されている。
猫観音を祀る招猫殿の左手には、藩主直孝が鷹狩の時に寺の猫に招かれるように訪れた途端に大雨に降られたことから、縁起がいいことだと井伊家の菩提寺になった由来になった寺の飼い猫にちなんで夥しい数の招き猫が陳列されている。
一箇所で見れる招き猫としては質量ともに日本一ではないだろうか?テレビ番組などでは何度か取り上げられているのだが、やはり実物を目にすると圧倒される。お寺の右側の山崎商店という花屋には「招福猫児 豪徳寺猫が手招く福と運 豪徳寺指定販売所」という立て看板があり、そこで招き猫(1600円)が販売されているということを後日知った。
豪徳寺は、桜、ボタン、紅葉の隠れた名所なので季節を変えて訪れてみるのがいいでしょう。