諏訪大社上社本宮、下社春宮をお参りし、新鶴で塩羊羹を酒屋で地酒を仕入れて毒沢鉱泉の神乃湯へ。以前毒沢鉱泉の沢の湯へ寄ったことがあり、その湯の素晴らしさに感動したので毒沢鉱泉に宿泊してみることにした。すれ違いが困難な急坂の行き止まりに神乃湯はあった。少し前にリニューアルされたので、まるで黒川温泉あたりにあるお洒落な女性受けしそうな感じの良い建物だ。その名の通り大黒様や不動明王、薬師如来などの木仏が飾られ線香の匂いが漂っている。温泉と信仰が結びついた例は数多いが、一般客向けに宗教色ぷんぷんという訳ではなく品良くまとまっている印象を受けた。部屋の名前にも神様の名前が付けられ泊まった部屋は福禄壽と壽老人でした。
館内は絨毯が敷き詰められスリッパがないのが珍しい。その代わり浴室は別棟になっており下駄に履き替えて行くのが少々面倒と言えば面倒。脱衣場の床には竹が敷かれて、いつもは脱衣所で号泣する息子も物珍しいらしく興味津々。浴室はほんのりとした控えめな照明と明るい2面のガラス張り。肝心のお湯は加熱循環だが十分にお湯の良さは残っている。沢の湯に比べて薄い感じがするが、それよりも少々加熱の温度が高い。源泉浴槽に入ってから加熱浴槽に入ると丁度良い湯加減に感じられる様に、熱めに設定されているのではないだろうか。源泉をいただくとレモンのような酸味やエグ味が感じられたが、口の中に広がる甘味が印象的で大変美味しい。鳴子の滝乃湯と同じくアルミニウムが含まれているお湯は飲泉すると美味しいのかもしれない。
夕食は1F奥の畳敷きの食事処でいただいた。あらかじめシチューを希望していたのだが、子供向けに塩味で野菜や鶏肉の入ったあっさりとしたものを用意してくれて、お菓子、フリカケ、プリンまで付いて大満足。部屋は少々狭いものの、1Fにも2Fにもソファーが用意されていて自由に雑誌や本が読めるようになっている。今日は息子は神社でたくさん歩いたのでぐっすり眠ってくれた。こんな山奥なのに12時過ぎても館内の明かりは減光されず、暖房もすみずみまで暖かくなかなか細かい所まで行き届いている宿だった。