かねてより入りたかったこの温泉は、山梨にある行きつけの山口温泉に良く似た浴感を持つ。
泡つき、重曹味、適温の飽きの来ないお湯であり、温泉ファンの間では多種多様な泉質のある青森の温泉の中でもトップクラスの人気を誇る。
温泉の好みは人それぞれであるが、温泉のことを知れば知るほど分析表に書かれてある成分と過去に入浴したことのある温泉と比べるようになってくる。
残念ながら森田温泉の詳細な温泉分析表は入手出来ていないが、山口温泉と違うのは色・PH値・湯温くらいで驚くほど良く似ているのに驚いた。
良い温泉というのはおのずと温泉成分が似通ってくるという法則を最近知ったのだが、まさにその通りだと思う。
アワアワの炭酸泉というと大分の長湯温泉が有名だ。
炭酸泉日本一の看板を掲げてアピ−ルしていたが、とある温泉ファンの方に不適切な表示だと指摘された。
温泉地としての長湯温泉の炭酸成分は施設によって基準となる数値に達していないものがあったそうだ。
温泉の成分というのは源泉からの距離・浴槽に見合った源泉の供給量・季節・温度・地殻変動などによって変わるものである。
炭酸泉の温泉成分は、分析表上では溶存ガス成分の遊離二酸化炭素(CO2)に該当する。
しかし遊離二酸化炭素は、40度くらいで1kg中1000mgが水への溶解度が限界で、源泉がそれ以上の数値であっても、浴槽水に存在出来ない。
30度台になると加熱しなければならず、大抵の温泉施設においては加熱することによって遊離二酸化炭素が抜けてしまう。
森田温泉では非加熱の41度の源泉を惜しみなく使用している為、遊離二酸化炭素431mgであっても湯口では体感的には長湯温泉にひけをとらないと思う。
湯口は浴槽の中から上向きに供給されているので、規則的に炭酸ガスを含んだお湯が噴出されて来る。
浴槽は3人くらい入ればいっぱいになってしまいそうな小ぶりなものだが、湯の供給量が潤沢なのでお湯が泡立って若干白っぽく見える。
浴槽の横にトド用のスペース?があったので、時々そこに横たわって出たり入ったり繰り返した。
カランから出てくるお湯も源泉を使っているようで嬉しいのだが、カランのひとつが壊れていて出しっぱなしになっているのがもったいなく感じた。
かつては素泊まりで宿泊も出来たようだが、現在は外来入浴のみらしい。
宿泊してじっくり味わってみたいものだが五能線の乗り継ぎを工夫すれば、立ち寄り入浴の時間をとることは可能。
12時からの営業なので使える列車が限定されるてしまうので、時刻表のダイヤとのにらめっこをするのも楽しいものである。