城崎温泉と聞いて大抵の人が想像するのが外湯巡りでしょう。最近では駅に併設して温泉や足湯が作られているので、そういう答えもある。しかし、城崎に想像を絶するほど素晴らしいお湯があることは知られていない。雄大な眺めで知られる円山川に面した所にあるのだが、浴室は山側にあるので川の景色が全く見えないのが残念である。川の見える露天風呂など作ったら申し分ないのだが、目の前を幹線道路が走っているので難しいだろう。この温泉に関して扱っているサイトが2つしかない為、場所を特定するのに苦労した。城崎駅から日和山へ向かうバスに乗って行けば、たどり着けるだろうと漠然と思っていた。当日直接電話して問い合わせてみると、日和山行きのバスに乗り小島バス停で下車し、城崎駅方面に少し戻った所にあるということだった。駅前のバスの時刻表でほぼ30分ヘッドで運行されているのを確認する。バスが来るまで足湯を見物して時間をつぶす。
外観はホテルのようなビルで、本当にここに温泉が?と目を疑ってしまった。2階以上はホテルもしくはマンションの造りであるが、人の気配は感じられずどうやら営業しているのは1階の温泉だけのようである。浴室はかなり広くカランとシャワーがずらりと並んでいる。肝心のお湯は緑色に濁っており、想像以上にかなり存在感のあるお湯である。湯口の所でなめてみると物凄く苦くてしょっぱい。大変気持ちの良いお湯なのだが、内湯は換気がうまくいかないのか湯気がこもってサウナ状態で息苦しくなってきたので、露天に向かう。
露天と言えども見えるのは裏山の景色なのでどうということはない。内湯よりも露天のお湯の方が若干湯温が低い。内湯に比べて露天の方が浴槽が狭いのだが、湯口からの投入量が浴槽の大きさにに比例しているのと外気温で湯温が下がるものと推察される。裏を返すと加熱をしていないということだが、冬場の露天は湯口のそばでないと温くて浸かれないらしい。他に入浴客がおらず貸切状態だったので、しばらく湯口の所にずーと佇んでいると、体に泡が付くことに気が付いた。入浴した人の話ではそのようなことは聞いたことがなかったので、驚きながらもこれはいいぞと温めの露天に長いこと居座る。お湯は城崎温泉とは比べ物にならないほど素晴らしいもので、城崎の外湯巡りを計画している方にも是非来てもらいたい。
ロビーにはマッサージ機がずらりと並んでおり、聞けばなんと無料で利用出来るとのこと。バスの時間待ちのタイムリミットぎりぎりまでまマッサージ機に身をまかせた。円山川の流れを見ながら体全体が癒されていくのを感じつつ、ここの温泉が円山川温泉と名付けられたのは、この素晴らしい眺めを見ればもっともなことだと納得した。