川渡温泉の一番奥まった所にある鄙びた温泉宿。坂を登ってくると旅館棟の手前右手に浴舎が見える。
入り口で入浴料金を支払おうとするが、お釣りがないとかで後で払うことにする。
浴室へ向かう廊下の途中で下着姿のおばあさん二人とすれ違う。
一応恥ずかしそうにして、「すいませんねえ」と声を掛けられる。
今時の新しい温泉ではこういうハプニングは起こり得ない。
何だかこういうのっていいなあと、しみじみ思ってしまう。旅館の棟から浴室へ向かって薄暗い廊下を降りて行く。
ぎしぎしいう廊下を歩いて行くとタイムスリップしたような錯覚にとらわれる。
ここは低温の湯の為当然加熱しているが、ヘビーな湯に浸かり続ける合間にこうした単純泉に浸かるとほっとする。女湯の方が湯元に近く、源泉の流れる湯滝があるというので誰も入っていないことを確認して入る。
浴室の隅に設けられた源泉の打たせ湯は腰の辺りまで浸かれるので浸かってみる。
少し冷たいが加熱した湯と交互に入れば疲労回復に効果抜群なのだが、男湯に源泉が供給されていないのが残念だ。
入り口には大きなワンコ、玄関右手には小さなおとなしいワンコが出迎えてくれる犬好きな人にはおすすめの湯。
川渡温泉の祭りの子供神輿が立ち寄っており、飲み物が配られ賑やかになっているので驚いた。