鳴子温泉のバイブルとも言うべき熊谷温泉さんのHPを見て、
鄙びた風情の川渡温泉の中でも一番お湯が良さそうな旅館ということで今回の湯巡りの1泊目をここに決めた。
トイレの前にある風呂は掲げてある温泉分析表には女湯となっているが、鍵がかかるので家族風呂的に使っているようだ。
こちらは、庭から自噴している源泉に一番近いので大浴場よりもフレッシュな黄緑色の熱めのお湯が大量に供給されている。
源泉に近いので湯の花の量がひときわ多く、大きな白い湯の花が大量に舞っている。
最初は熱く感じるが、しばらく浸かっているとそうでもなくなる。
湯量が豊富なのでこの湯で体や頭を洗い流しても湯が減るのを気にせず使えるので、ここではカランやシャワーの類は不用だ。
大浴場にはシャワーがあるが、フレッシュなお湯で体を洗い流すという快感はこの湯でなければ味わえない。
宿の一番奥にも家族風呂があり、宿泊した部屋のすぐそばだったので大半をこの湯に浸かって過ごした。
ここは小奇麗な石造りの風呂で、比較的最近増設されたものと思う。
右側の浴槽にはお湯が供給されており熱めのお湯、左側の浴槽は底の方だけつながっており温めのお湯になっている。
左側の浴槽は時間の経過に伴い、かなり濁っているが加水せずに冷ます工夫がされている。
フレッシュな熱いお湯で加水するのと時間をかけて湯温を下げるのと意見が分かれる所だが、川渡温泉でじっくり浸かるにはこの湯はかなりおすすめのお湯だと思う。夕食は1泊2食¥8,000としては、まずまずの内容で可もなく不可もなくといった所だ。
大浴場は、硫黄臭の漂う黄緑色の濁ったお湯。かつては湯の花を除去していたそうだが、
現在はそのまま掛け流ししているみたいで白い湯の花が確認された。
脱衣場は男女別々だが、中へ入ると混浴である。こういうスタイルが湯治場の一般的なスタイルである。
宿泊した翌朝の朝一番に行くと幸運なことに貸切状態で入れた。
ひょうたん型の大きな浴槽の他に浴室の片隅にある小さな浴槽が気に入った。
人一人が足を伸ばして入るのにちょうどいい広さ。浴槽の底でお湯が供給されており、温めのお湯で心地良い。
宿泊当日と翌日にかけて川渡温泉のお祭りが行われており、9時30分頃に宿の前に祭りのトラックがやって来た。
トラックの荷台に踊り手さん達が乗りこんでおり、演歌に合わせて華麗な舞いを披露して宿泊客の拍手喝采を浴びていた。
この祭り目当てなのだろうか、宿には思いの外多くの宿泊客がいるのにびっくりした。