こちらは、萩の宿として立派な新館が建てられており、かつての鄙びた風情が失われつつある。
目当ては旧館の混浴風呂だったのだが、母屋である旧館の玄関からお邪魔すると老夫婦が丁寧に迎えてくれる。
真っ先に旧館の風呂へ向かう。小ぶりな石造りの浴槽に似つかわしくない大量の源泉が惜しげもなく投入されている。47.5℃ということであなどっていたが、これがとてつもなく熱い。
湯もみをしようとするが足をつけるのがやっとなので、やむなく大量加水してようやく浸かろうとする。
が、まだ熱いので湯口からのお湯を洗面器で汲んで捨てるという勿体無い行為に及んでしまった。
白い大量の湯の花が舞い、共同浴場的な風情の漂うこの湯は川渡温泉特有の激熱の湯だ。
渡り廊下で繋がっている新館へ向かい、新しい男女別の風呂に入る。
旧館の湯に比べ若干薄い感じでやや温めであり、インパクトに欠けるがいいお湯であることに変わりはない。
この新しさで驚きの安さなので、次回川渡を訪れることがあればここに泊まってみたいものだ。
それまでに旧館の湯量の調節が可能になっていることを願いたい。