毘羯羅(びから)大将は釈迦如来を本地仏として、亥の歳と方位をお守りしている。
麻釜(おがま)の上方にある唯一の共同浴場で、温泉街から延々と登って来なければならない為、観光客の姿は見受けられなかった。浴室と脱衣所が一体となったタイプのこじんまりとした外湯。湯口から、出ている湯量は少ないが、激熱でとても入れたものではない。やむなく水道の蛇口を全開にして、しばらく様子を見るが全く効果なし。水でうめてかけ湯するのが関の山だ。入る人も少なく源泉の温度が78℃ともなれば、激熱なのは当然。少しでも激熱の湯を自然冷却させるシステムが欲しい所だ。これでは草津で最も熱い煮川の湯の比ではない。透明な湯に、黒い湯の花が舞っている。こじんまりとした町外れの鄙びた木造の共同浴場という、個人的に好きなタイプだけに熱すぎる湯が惜しい気がする。実は野沢温泉へはある病気の療養に来たようなことになったのだが、ここに浸かっただけでかなり病状が良くなったのには驚きでした。
取材年月日 2001年9月19日
外観は相変わらず建て替えられていない為、渋い外湯はここが野沢温泉一かもしれない。麻釜からそれほど遠くない場所にあるのだが、かなり急坂を上がるのと知名度が低いせいもあって穴場的存在だ。独自源泉であることでも貴重なのだが、前回激熱のイメージが今回は解消されていた。湯口のところで強制的に加水されており、熱過ぎて入れないという状況ではなかった。ここ以外でも同じように湯口で強制的な加水というのが他の共同浴場でも見られたのは喜ばしい。
取材年月日 2010年7月11日