朝食を1階の食堂で食べ終え、ロビーのテレビを見た後、隣の共同浴場「有乳湯」へ向かう。周りに数件の温泉旅館が並び、奥に共同浴場があるのは霊泉寺温泉に似ている。以前はコンクリートモルタル造りで、それこそ霊泉寺温泉のそれとよく似た造りだったそうだ。2000年の夏に改修され、見違えるほど綺麗になり、お湯もその時に新たにボーリングしたものだそうだ。ここにはその昔、山姥が湯治に来て、大江山の鬼退治で有名な坂田金時(金太郎)を産んだという伝説が残っている。子のない婦人が37日、乳の少ない婦人は27日入浴すれば効き目があらわれるという話が今でも生きている。子宝の湯、子持ちの湯、はらみ湯などの呼び名があり、婦人病にも効き目があるとされている。
温めの透明な湯は硫黄臭が漂い、入っていると細かい泡がたくさん体に付いてくる。「ますや」のお湯に比べて加熱していない分、硫黄臭と強烈な泡付きを感じた。施設が近代的になったのは少々物足りなく万人向けと言えるが、素晴らしいお湯であることは保証出来る。一人ずつ仕切られている洗い場は、新しい施設には意外と少ない為、その点ではかなり評価できる。硫黄泉で温めという温泉は他では、熊本の奴留湯(ぬるゆ)温泉くらいしか体験したことはない。温い湯、硫黄泉好きにとっては、かなりお気に入りのお湯になった。ちなみに入浴料は200円ですが、ますやさんに宿泊すれば100円の券を譲ってくれるそうだが、それを知ったのは入ってからであった。隣に共同浴場がある温泉旅館は時として、割引サービスもしくは無料サービスを行っているケースが往々にして多い。鳴子温泉の「ゆさや」に宿泊し、隣の「滝の湯」に入った時もそうであった。
なお画像につきましては、PCのクラッシュに伴うデータの損失に伴い永らく公開できませんでしたが、青ちゃん様の提供により公開できましたことをこの場をお借りしてお礼申し上げます。