バナー 茂庵付近の地図
CAFE  LIST
京都のカフェ ★★★★★
吉田山山頂のリゾート
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 SHOP  茂庵
 住所  京都市左京区吉田神楽岡町8
  吉田山山頂
 電話番号  075-761-2100
 営業時間  11:30〜18:00(L.O.17:00)
  週末ランチタイム12:00〜15:00
 定休日  月曜日
  (祝日は営業・翌日振替休業)
 HP  http://www.mo-an.com/
 取材年月日  2003.01.11
 京都は何度も訪れており、茂庵のある吉田山にも登ったことがあるのだが、なんとその山頂にカフェが出来たというので実は今回の旅で訪れるカフェの中で一番楽しみしていたのが、この茂庵である。京都らしいカフェをひとつだけ挙げるとしたら、文句無しにここをおすすめしたい。真冬の京都では珍しい程暖かい陽気の中、散歩がてら元田中のホワイトハウスから吉田山へ歩くことにした。北白川の高級住宅街や斬新な造りの北白川教会を横目に東へ歩き、京大のグラウンドの所で右折し、川沿いに南へ歩いて行く。歩いてみて気が付いたのだが、この川は哲学の道を流れる疎水であった。両岸には桜の木が植えられており、桜の時期には今出川通り以北のこの川沿いでも花見が出来そうだ。今出川通に突き当たった所で、その日の夕食処に決めていた「ぐろっと」という店を探すが、全く見当たらない。コンビニの店員に尋ねると、今出川通りの吉田山側の目の前にあるではないか!よくよく見ると小さな看板らしきものが掲げられている。外見は普通の民家であり、いわゆる町屋を改造したものだろう。しかし、まだ日が高い時間で夕食の時間にはかなりあるので、今回立ち寄るのは見送ることにする。

 この場所からなら、吉田神社の鳥居のある北白川バス停から登山道を登るのが山頂への最短コースである。茂庵を紹介しているサイトで、吉田山の東側の神楽岡通りからアプローチすべきだと力説しているので、その言葉を信じて茂庵の公式HPのアクセスマップを片手に吉田山を右手に見ながら東側の登り口へ向かう。登り口はすぐに見つかり、急な石段を登って行く。ここからは案内板に従って歩いて行けばよい。途中に古い家並みが現れ、聞く所によると大正時代の町並みと呼ばれているそうだ。表札に茂庵が掲げられた民家があるので、もしや?と思ったがここではないらしい。しばらく行くと石の壁のはずれに山頂へ続く入り口が現れる。ここが第二関門といった感じである。一転して茶道で言う所の「侘び寂び」の世界に入り込んだ。山頂であるが、遊歩道が整備され周囲の木々も手入れが良く届いている。ここが、吉田山の山頂であるとは到底信じがたい。

 茂庵は元々、茶の湯のために築かれた壮大な茶苑の建物の一部であった。大正時代に建立された建物群は八席の茶室、懐石料理を供する食堂(現在の茂庵)、神社などから成り立っていた。ちなみに茂庵という建物の名前は設立者の雅号に由来する。昭和初期まで茶の湯の席として使われていたが、戦後は封鎖され、長年幻の茶苑と呼ばれていた。もともとあった茂庵の建物を2001年に改装するにあたり、建物にはほとんど手を加えていないそうだ。

 創建当時から残っていると思われる茶室が唐突に現れ、茂庵に対する期待感はいやがおうにも高まってくる。緑あふれる環境にあるカフェが好きなので、茶苑の幽玄なたたずまいの中に二階建ての木造の質素な建物が木々の間から見えた時には、感激に打ち震えた。ここに辿り着いて、ちゃありいさんが神楽岡通りからアプローチすべきだと力説していた理由が分かった。西側の北白川バス停から登山道を登って来ても、標識がないのでまずどこに茂庵があるのか気がつかないで通り過ぎてしまう。誰もが鄙びた感じの神楽岡通りから、石段の古い街並みを抜けて、茶苑に入っていくというドラマティックなアプローチに酔いしれるだろう。

 1階は土間になっていて、2階のカフェで実際に使用している作家ものの器等を販売するショップになっている。入り口で靴を脱ぎ、どきどきしながら2階へ上がる。1階からは想像出来ないくらい広い空間が広がっていた。四方がガラス障子になっており、差し込む日の光で照明は不要なくらい明るい店内。特に西側の展望が素晴らしい。木々の間から京都市街が見渡せ、その向こうの京都を取り巻く山々まで見える。東側の展望はうっそうとした木々に遮られている為か、テーブル席が2つ空いていたので、そのひとつに座った。店の風情を楽しむ為には、むしろ東側のテーブルに座ることをおすすめする。視線を西側の窓に向ければ、その位置からでも十分外の景色を見ることが出来るからだ。吉田山は100m足らずの小高い丘だが、市中を見渡す高い場所がほとんどない京都にあって貴重な存在である。床は板張りで、天井は昔の浴室に良く見られる太い梁が剥き出しになっている造りになっている。

 週末のランチタイムは予約制と聞いていたのだが、オーダーを取りに来たときに「食事ですか?」と聞かれたので現在は予約無しでもOKのようだ。自分は抹茶ミルク、妻はカフェラテを注文する。出された器は、作陶家が作っているものだけにひとつひとつに味があるもので、こういうのを目の当たりにすると、思わず下のショップで買って帰りたくなってしまう。いわゆる町屋カフェでもなく、もちろん市中のこじゃれたカフェとも違う。ここには無粋なBGMなど不要だ。鳥のさえずりを聞きながら、木々の間から垣間見える京都の街並みをつまみにゆったりとした気分で、上質な時間と空間を大切な人と一緒に過ごすために来て欲しい、とっておきのリゾートである。1時間くらい長居をして店を後にすると、順番待ちの行列が出来ている程の盛況ぶりであった。帰路は西側の登山道から下りたのだが、数10m歩いた時点で茂庵の建物はあっという間に木々の間に隠れて見えなくなってしまった。
茂庵へのにじり口
茂庵へのにじり口
茂庵外観
茂庵外観
茂庵のれん
茂庵のれん
椅子とガラス障子
椅子とガラス障子
太い梁のある天井
太い梁のある天井
抹茶ミルク
抹茶ミルク
カプチーノ
カプチーノ
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