鎌倉には美味しいパン屋が数多くあるが、その中でも有名なのがベルグフェルドとボンジュールだ。何だかドイツVSフランスみたいで、鎌倉っ子の間では好みが分かれるのではないかと思う。ドイツのパンというと質実剛健で質素なパンというイメージがあったが、そういった既製概念を打ち破るほどの美味しさを体験出来るのがここカフェ ベルグフェルドだ。ベルグフェルドが経営するカフェが長谷にあるということを最近知り、江ノ電の取材と絡めて行ってみた。長谷駅から長谷観音や長谷の大仏へ向かう道は混雑するので、一本東寄りの道を行くのが良い。
観光客はほとんど見うけられず、客層は地元の方ばかりのようだ。丁度昼時とあって頻繁に客が入ってきて、回転は思ったより早そうだ。歴史のありそうなアンティークでオーソドックスな店内だが、ドイツの質実剛健さがそこはかとなく漂う。古都鎌倉の雰囲気にふさわしい名店だと確信する。流行に迎合しない本物の風格というものはこういうものなのだろう。
看板メニューのベルグサンドと飲み物とケーキのセットを注文する。確か好きなケーキを選べる筈だったが、何も聞かれないということは選択の余地はないということなのだろう。実際にケーキを別のものに変えてもらうように交渉していた客も見受けられた。今までのランチセットでは、採算が合わないのだろうか?そういった予想外の展開も覆すほど、ここのパンは美味しかった。しっとりとして適度な歯ごたえと甘みがあって、これが本物のドイツパンなのだと認識を新たにした。ソーセージ&レタス、ハム、トマト&ツナのトッピングの3種類のサンドはそれぞれのパンの美味しさを最大限に引き出している素晴らしい取り合わせで感動した。これで好きなケーキが選べたら最高なのだが、ケーキはまた後日来た時の楽しみにとっておこうと思う。