穂波温泉は長野電鉄湯田中駅の東側に流れる夜間瀬川を渡った対岸にある小さな温泉街だ。
つるや旅館を選んだのは、ここに泊まると外湯に入れる鍵を貸してくれるという情報を得たからだ。
外観はお世辞にも新しいとは言えない、昭和レトロあふれる古びていた。
立地条件としては穂波温泉の中心である元湯のすぐ目の前にあり、新鮮な湯を楽しめると判断したのが正解だった。
つるやと言えば八角形の浴室が有名だが、貸切風呂を2種類増設しており、日帰り入浴にも対応している。
貸切風呂(つるの湯、かめの湯)は1時間1000円だが、宿泊者はもちろん無料で利用できる。
宿の名前にちなんだつるの湯を選んだ。細部にわたって気配りがなされた浴室は感心させられた。
まさかのベビーバスまで完備しているのには驚いた。
八角形の男湯の内湯はつるや旅館のルーツにかかわるであろう家紋をあしらったタイルの意匠が目を引く。
中央の柱に湯口があって、透明なお湯が注がれている。もちろん掛け流しで周囲にゆるゆると溢れている。
源泉温度が高いので井戸水で加水されているが、豊富なかけ流しのお湯は鮮度の良さが感じられる。
男湯には小さいながらも七角形の露天風呂も併設されており、湯船の上には東屋が掛けられているので、雨や雪の日でも湯浴みを楽しめる。
この露天にも簡易な脱衣スペースと洗い場が設けられており、その奥には出入口もあるので、内湯を経由せずに露天へ直行できる構造になっている。
露天風呂の浴槽はおおよそ3人サイズで、お湯は竹筒から注がれており、緑色の底の石が美しい。
宿泊すると男湯と女湯が入れ替わるシステムなので、宿泊して是非名物の八角形のお風呂を堪能していただきたい。