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平賀敬美術館 ★★★★★
登録文化財の和建築と大理石の織りなす極上湯
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 施設名  平賀敬美術館
 住所  神奈川県足柄下郡箱根町湯本613
 電話番号  0460-85-8327
 営業時間  11:00〜17:00(入館は16:30まで)
 定休日  水・木曜日
 料金  入館料
  高校生以上/600円
  小・中学生/300円
  幼児/無料
  入浴料 1,100円
 泉質  アルカリ性単純温泉
 泉温  42.4℃
 源泉  福住湧泉 湯本第3号
 HP  なし
 取材年月日  2009.09.23
 平賀敬という画家をご存知だろうか?1936年生まれのアバンギャルド戯画家で、30歳で渡欧し、パリの影響をものすごく受けている。ピカソの画風に似た作品もあるし、娼婦がほとんどの画に出て来るのが特徴的だ。登場人物たちの顔は一風変っていて、鼻が細く尖り目が切れ長で美男美女という訳ではないのだが、絵画の良し悪しはともかく一度見たら脳裏に焼き付くような作風だ。その故平賀敬氏の住居を管理している奥さんの幸さんが、2005年11月に美術館として公開を始めた。この建物はもともと「萬翠楼 福住」の別荘として明治後期に建てられ、井上馨、犬養毅、近衛文麿など明治の元勲が逗留した由緒あるもので、2003年に国の登録有形文化財に指定されている。玄関で料金を払って館内へ向かうと、館内廊下にから早くも平賀敬氏の作品がこれでもかと展示されています。特に蔵の中に大判の画が多数掲げられてあるのは必見かと思います。作品については、著作権等の問題があるので掲載は差し控えさせていただきます。

 ひととおり館内の作品を見終わって休憩させてもらっていると、平賀敬氏の未亡人幸さんが温泉について語り始めた。ここで使っている温泉は、「萬翠楼 福住」で使っている温泉の湯元であるそうだ。浴室に掲げられていた温泉分析表には源泉名:福住湧泉、台帳番号 湯本第3号、源泉 42.4℃とある。「萬翠楼 福住」の公式サイトによると、湯本第3号は、明治時代に横穴掘削で開発した源泉で、普段は扉で閉ざされている入口から20mほど奥にあり、自噴しています。平賀敬美術館の前身が「萬翠楼 福住」の別荘であることから、湯本第3号が、美術館の裏手にある横穴源泉のひとつであると推測される。

 話がややこしくなるが、福住横穴湧泉というものは複数の源泉が存在するようだ。平賀敬美術館裏手にある福住横穴湧泉で湧出しているのが、湯本3号、湯本7号。神湯泉源地で湧出しているのが、湯本第9号(神湯)、湯本第41号(神湯新)。神湯泉源地から熊野神社へ登る階段の右側に各旅館へ配湯のパイプが見える。手前のグループが湯本7号と湯本第9号(神湯)、奥が湯本第41号(神湯新)らしい。箱根湯本界隈の各旅館にはこれらが配湯されているが、36.0℃の湯本7号・湯本第9号(神湯)・湯本第41号(神湯新)混合泉をベースにして加温用に54.5℃の湯本第41号(神湯新)という湯使いがされている。個人的には温いお湯が好きなので36.7℃の湯本7号・湯本第9号(神湯)混合泉のみ使用の浴室がある住吉旅館が廃業したのが痛い。

 いずれにしても加温する必要のない敷地内で湧出する源泉を楽しめるという点では、箱根湯本一のお湯の良さと言っていいだろう。建物が登録有形文化財に登録されているバリバリの和の粋を凝らしているのに対し、浴室のスペイン産の大理石のギャップに驚かされる。浴室は、御付の人が利用した第壹號浴室と賓客用の第貳號浴室に分かれているが、湯量の減少により現在は第貳號浴室のみ使われている。

 脱衣所と浴室が一体化しており、脱衣所から一段下がった位置に浴室がある。真っ先に目が行ったのはトド用の寝枕だった。こんな雅なものが存在しようとは、さすが美術館の湯である。塩ビのパイプの上に竹筒をかぶせた湯口からは、適温のお湯になるように適切な量が注がれている。陶器製の寝枕に頭を載せて床に身体を横たえてトドになってみると、浴槽から溢れてくるお湯が身体を温めてくれて、何とも気持ちがいい。浴室の下半分は大理石だが、窓から上は和風建築で、ほの暗い裸電球が温泉情緒を高めてくれる。窓の外には鉄格子があるが、これは要人暗殺を警戒した明治時代の遺物だそうだ。天井には湯気抜きの為に珍しい意匠の作りがされているのも見逃せない。

 浴後に再び休憩していると薄緑色の水差しに入った山の湧き水が青いグラスで供された。団扇、籐の椅子、御簾、ぶたさんの蚊取り線香容器、レトロな扇風機、下駄、庭のオブジェなど全てが生きた美術館の作品となっている。日本は古い建築物を保存することにあまり熱心ではないが、箱根湯本でこれだけ古い建築物が保存されている事自体が奇跡だ。開館当時は知る人ぞ知るという秘湯だったが、温泉マニアや美術鑑賞家を中心としてかなり認知度が高まって来ているようだ。
平賀敬美術館外観
平賀敬美術館外観
平賀敬美術館玄関
平賀敬美術館玄関
入浴料は1,100円に値上がりしています
入浴料は1,100円に値上がりしています
入らせてもらったのはこちらの浴室で賓客用だったようです
入らせてもらったのはこちらの浴室で賓客用だったようです
すりガラスに雅な金色の文字が
すりガラスに雅な金色の文字が
こちらの浴室は御付の人が入った浴室だそうです
こちらの浴室は御付の人が入った浴室だそうです
ドアの左側の札をひっくり返して入ります
ドアの左側の札をひっくり返して入ります
温泉分析表1
温泉分析表1
温泉分析表2
温泉分析表2
小さいながらも高級感が溢れる浴室です
小さいながらも高級感が溢れる浴室です
空の浴槽かと思ったが、裸電球が反射しているのを見てお湯が入っているのに気が付く
空の浴槽かと思ったが、裸電球が反射して
いるのを見てお湯が入っているのに気が付く
平賀敬氏がスペインから取り寄せた大理石の美しさに魅入られる
平賀敬氏がスペインから取り寄せた
大理石の美しさに魅入られる
この浴槽に浸かった明治の偉人たちに思いを馳せてみたくなる
この浴槽に浸かった明治の偉人たちに
思いを馳せてみたくなる
もともとは浴槽内の穴から温泉が供給されていたようで、この竹筒は後付けのようだ
もともとは浴槽内の穴から温泉が供給されていたようで、
この竹筒は後付けのようだ
シャワーはないがお湯の出るカランは設置されている
シャワーはないがお湯の出るカランは設置されている
籐製品や凝った意匠の鏡が目についた
籐製品や凝った意匠の鏡が目についた
浴室の上半分は木造で、裸電球がひときわ存在感を示していた
浴室の上半分は木造で、
裸電球がひときわ存在感を示していた
右手にある第壹號浴室が垣間見える
右手にある第壹號浴室が垣間見える
換気用にうまく作られた天井だが、雨や雪には大丈夫なのだろうか?
換気用にうまく作られた天井だが、
雨や雪には大丈夫なのだろうか?
大理石の床に流れるお湯に窓が写り込んで幻想的な風景である
大理石の床に流れるお湯に窓が
写り込んで幻想的な風景である
籐のかごに入った間接照明に癒されます
籐のかごに入った間接照明に癒されます
庭になっていたコムラサキが飾られていた
庭になっていたコムラサキが飾られていた
陶器製の枕に横たわらせていただきました
陶器製の枕に横たわらせていただきました
田舎の祖父の家に来たような感じでした
田舎の祖父の家に来たような感じでした
庭ではコムラサキの実が見頃でした
庭ではコムラサキの実が見頃でした
水辺には様々な生き物のオブジェが並べられています
水辺には様々な生き物のオブジェが並べられています
下駄を履いて庭に出ることが出来ます
下駄を履いて庭に出ることが出来ます
美術館だけあって水差しやグラスが洒落ています
美術館だけあって水差しやグラスが洒落ています
団扇入れなんていう貴重なものがありました
団扇入れなんていう貴重なものがありました
御簾を備えた雅な住居自体が美術館と呼ぶのに相応しい
御簾を備えた雅な住居自体が
美術館と呼ぶのに相応しい
籐の椅子は軽くて丈夫なのが魅力です
籐の椅子は軽くて丈夫なのが魅力です
ぶたさんの蚊取り線香容器
ぶたさんの蚊取り線香容器
照明の意匠は昭和初期のものだろうか?
照明の意匠は昭和初期のものだろうか?
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