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今回の草津は、8ケ月振りで本当に久々である。往路は青春18きっぷ利用なので、のんびりした鉄道の旅を味わう。
今冬は青春18きっぷを2冊購入した。2人での利用であるが、こんなことはさすがに初めてである。
全て温泉絡みの鉄道旅行であった。今冬の旅の行き先を列挙しておこう。
12/22竜王(中央本線)の山口温泉、12/29東鷲宮(宇都宮線)百観音温泉・金島(吾妻線)富貴の湯、
1/5上諏訪(中央本線)片倉館、丸光温泉・下諏訪(中央本線)みなみ湯、湖畔の湯、富部の湯、
1/12〜14草津(横浜線・中央本線・武蔵野線・高崎線・吾妻線)、1/20伊東温泉(御殿場線・東海道本線・伊東線)。
今回は何回も目撃しながら乗る機会がなかった、八王子発大宮行きの快速むさしの号の乗車を主目的に18きっぷ利用にした。
快速むさしの号は、今では165系同様季節運転の臨時列車の運用しかない169系を使用している。
また、その経路は西国分寺と武蔵浦和で地図では直角に交差しているルートを通る。
普通の列車運用では不可能であるが、武蔵野線はもともと貨物線である為、中央本線と高崎線との間に渡り線がある。
ホリデー快速などに使われるこのルートは、厳密な意味の鉄道の乗り潰しにカウントされるので是非とも乗車しておきたかった。
快速むさしの1号は八王子駅のホームに発車時刻よりもかなり前に入線しているので、
いつも中央線の列車待ちの際に車内を休憩室代わりに利用させてもらっている。
シートはリクライニングで折りたたみ式の簡易テーブルが付き、往時の急行列車の風情を味わうことができる貴重な車両だ。
車内で軽い朝食を済ますと、間もなく発車したが、案の定がらがらであった。
しかし立川から武蔵野線へ入る頃にはかなりの乗車率になって来た。
武蔵野線経由でディズニーランドへ行くらしい家族連れなどが、北朝霞で下車した。
予想通り八王子から終点大宮まで乗り通す人は少なく、武蔵野線内のみの利用客は圧倒的に多かった。
せっかくの169系の車両なので、武蔵野線の舞浜行きと吾妻線乗り入れの万座・鹿沢口行きの連結運転をして、
北朝霞駅で切り離すなんていう列車は、結構利用価値があって面白いのではないだろうか。
大宮で高崎線に乗り換え、高崎で吾妻線に乗り換える。
吾妻線内に入り、ようやくボックスシートが空いてきたので移動し、二人でワンボックスを占拠する。
やはりローカル線の旅は、直角の座席に足を投げ出して車窓をぼーっと眺めるのに限る。
一部快速列車を使ったものの、鈍行列車で草津へ行くのは時間がかかりすぎる。
スキーシーズンには、165系で運行する新宿発吾妻線直通の快速万座・鹿沢口行きという便利な列車がある。
残念ながら18きっぷの時期には運行されないので、あくまでも需要の波動に対応しているのみに過ぎない。
常々疑問に思っているのだが、現在上越線・吾妻線で運行されている185系の新特急というのは好きになれない。
他社との比較になるが、JR西日本管内であればあの程度の設備ならば、快速列車が妥当な線ではないだろうか?
東海道線では普通列車として運用されたりしているくらいの代物である。
あれだけの代物に特急料金を払うのが癪だが、往路だけは利用せざるを得ないというのが本音だ。
新幹線で高崎まで行って吾妻線に快速を走らせるというのが、利用者のニーズに合っていると思うのだが…
帰路を考えてみても新特急利用だと割高な上に、首都圏への到着時刻がちょっと早すぎる。
その反面草津温泉発新宿新南口行きの高速バス「上州名湯めぐり号」は、17時発が増発されている盛況ぶりだ。
長野原草津口発草津温泉行きのバスを下車して、バスターミナルのとなりの町役場の建物の一階にある草津町営図書館へ向かう。
何度も草津へ来ていながら、この図書館の存在を知ったのは今回が初めてである。
どうしても読みかけの本で最後まで読みたかった本があったからである。
週末には湯畑近くの老舗旅館日新舘の番頭を務める、井野酔雲先生の「戦国草津温泉記」を最後まで読みたかったのである。
前回(昨年の4月)に草津館に宿泊した際に、宿の蔵書の中から探し出して一晩かけて8割方読んだのだが、
チェックアウトまでに読みきれなかったので、心残りになっていた。
日進舘に問い合わせてみた所、自費出版だった上に発刊部数が少ない為、出版社にも在庫なしとのことだった。
もしかしてと期待をして探した所、めでたく見つかり最後まで読みきる。
13時近くなり、お腹も空いて来たので湯畑に近い居酒屋 田舎っぺで昼食にする。
ランチの丼物が激安の500円というのにつられて入ったのだが、当たりの店だった。
実は草津関連の某HPで紹介されており、存在は知っていたのだが、ランチを最近始めたので試しに入ってみた。
妻は舞茸の天ぷらが乗った舞茸丼、私は野沢菜と温泉卵が乗った野沢菜丼を注文する。
舞茸は肉厚で美味しかったのだが、それ以上に野沢菜丼は美味しかった。
一見何の変哲もない組み合わせだが、上にかかっているのが普通の卵でなく、温泉卵であるのがミソである。
野沢菜と温泉卵をぐちゃぐちゃにまぜ、醤油を少しかけていただく。たったこれだけのことだが、抜群に美味しいのである。
個人的には、これにマヨネーズを入れれば完璧であると思う。
これだけでは、少々物足りないので馬刺し(800円)を注文したのだが、これがまた最高に美味しかった。
さすが、馬肉の本場信州とは山ひとつ隔てているだけあって、新鮮な肉でかつかなり質の良いもので感動した。
昼食後に今回お世話になる「ゆ宿大蔵」さんに荷物を預けに行く。
玄関先では宿の常連さんと思しき方々が帰る所で、失礼して中に入らせていただく。
暫く待っていると頼まれもしないのに、家族風呂に入っていいとのことで、嬉々として入らせていただく。
家族風呂は家庭の風呂場を少し大きくした程度であるが、外湯の中では一番のお気に入りの地蔵源泉が掛け流しであるのが嬉しい。
いつもの悪い癖だが、石造りの深めの浴槽の下には白い湯の花が溜まっているので掻き回してみる。
しばらく掻き回しているとお湯が真っ白になってくる。
しかし、湯の花と同時に底に沈んでいた髪の毛が上がって来たのには少々幻滅した。
この宿の名誉のために付け加えておくと、翌日の昼間に家族風呂はちゃんと清掃しておりました。
湯口から出て来るお湯は熱いのだが、浴槽が深すぎる為か底の方まで熱が伝わらない。
好みの浴槽の深さは、膝を立てて入れる深さなので、この浴槽はその基準から言ってもかなり深すぎる。
かといってこの家族風呂が気に入らなかった訳ではなく、かなり気に入ったので浴槽の深さが余計に気になった。
草津の宿で家族風呂を設置してある旅館は少ない為、もうひと頑張りしてもらいたい所だ。
風呂から上がると、14時過ぎなのに部屋の仕度ができたとのことで、二階の部屋に通される。
窓の外には雪景色が広がり、今日は風もなく暖かくいい天気だ。
部屋で一旦落ち着いてしまうと、外へ出るのが億劫になってのんびりしてしまう。
今回のグルメのテーマは、ジャンルを問わず甘い物を追求することに決めている。
湯畑に近い関の湯近くに手作りケーキの叶屋があって、前から気になっていたので、ケーキを買いに行く。
京都のケーキ屋「マールブランシュ」で美味しいモンブランを食べて以来、モンブランばかりに目が行くので、モンブランを2つ求める。
本当に小さな店で、おばさんが一人で切り盛りしている。草津に手作りのケーキ屋はここだけなのであろうか?
注文すれば、誕生日用のケーキなどを作ったくれるそうで、地元では結構人気があると聞いている。
値段も手頃で種類もそこそこあり、暖かい時期ならテイクアウトして湯畑の周りで食べるのも良さそうだ。
例年より暖かいとは言え、さすがにこの寒い時期に外で食べるのは人目が気になる。
「ゆ宿大蔵」さんは飲食物の持ち込みを認めているので、こういう時は都合が良い。
旅行にいつもインスタントコーヒーを持って来ようと思うのだが、忘れてしまう。
仕方なく部屋に備え付けのお茶を入れて、お茶をすすりながらケーキを食べる。
ここのモンブランはちょっと変わっていて、チョコレートのスポンジにたっぷりのあっさりとしたマロンクリームが乗っている。
暖かい部屋でテレビを見ながらごろっと横になっていると、だんだん眠くなって来る。
すっかりくつろぎモードになっている妻を残して、お気に入りの外湯へ向かう。
まずは、宿近くの一番のお気に入りの地蔵の湯へ向かう。
最近この地蔵の湯も観光客にその良さが知れてきたのか、混雑していることが多い。
どの外湯でも言えることだが、宿の夕食時間直前の時間帯は空いている確率が高い。
案の定地蔵の湯は、入浴している客が1人、2人程度でゆっくりとすることが出来た。
外観の雰囲気が良いのだが、浴室の照明が薄暗く、夜になると特にそれを感じるのが少々気がかりである。
薄暗くなってきたので既に湯畑のライトアップが始まっており、熱の湯の建物を撮影してから喜美の湯へ向かう。
ここは入浴客の大半が地元の人で、何時来ても混み合っていることは少ないのでかなり気に入っている。
珍しく湯が熱いと思ったら、バルブが全開にしたままであった。前に入った人が熱湯好きで、出しっぱなしで帰ったのであろう。
喜美の湯はいつもは温くて湯を足しているのに、こんなことは初めてである。
草津の外湯で注意したいのは、湯のバルブを完全に止めてはいけないことである。
なぜかと言うと、湯を止めてしまうとあまりの強酸性の為、配管が傷んでしまうからだと聞いたことがあるからだ。
宿へ帰る途中、再び湯畑へ向かい、白旗の湯の男湯の内側の構造を模した源泉閣(お好み焼き屋さんで敷地内に独自の源泉が湧いている
そうだが、未確認)が白旗源泉からの湯煙に包まれて、かなりいい雰囲気を醸し出している。
デジカメで撮影するが、手ブレになったり、真っ白に写ったりして、なかなか思い通りな写真が撮れない。
結局湯煙を入れて撮るのは諦めて、単なる夜景の写真として撮影する。
夕食前に宿の内湯で体を洗う。この規模の旅館でカランとシャワーが2つずつというのは少なすぎる。
浴室が妙に長細く、1つのシャワーとカランは浴槽にあまりに近いので、シャワーを使用すると浴槽に入ってしまう。
洗い場には不満が残ったが、お湯自体は熱めの地蔵の湯(外湯ではあまり熱く感じないのだが)を加水することなく
温度を下げる工夫がなされているのに感心した。
細長い浴槽の壁沿いに木製の大きな樋があり、そこに溜まって湯温が下がったお湯が少しずつ落ちてくる仕掛けだ。
湯の花好きとして気に入ったのは、樋の底に白い湯の花が大量に溜まっていたことだ。
人がいないのを見計らって、樋の底の方を掻き回して浴槽へ湯を注ぎ込むと、あっという間に白濁したお湯になった。
もう一つ気になったのは、脱衣所の足拭き用のマットである。
煮川の湯などでも同じ事が言えるのだが、いつもびしょびしょでかえって不快な気分になるので置かないほうがいいのではと思う。
夕食は個別に仕切られた宴会処で落ち着いて食事が出来た。
固形燃料を使った鍋や焼き物が2つも並ぶと、少々手抜きの感は否めない。
値段相応でまあまあだったのだが、運んできた仲居さんがぶっきらぼうだったのが少々残念。
夕食後暫くして、妻を引っ張り出し湯畑の夜景を見に行く。やはり、冬の夜にライトアップされた湯畑は幻想的だった。
思ったほど積もっている雪も少なく、凍結している路面もほとんどないので、情緒に少し欠けてはいたが。
夜風に当たっていたら体が冷えてきたので、長寿の湯へ向かう。
男湯の方はそれほど混み合っていなかったのだが、女湯の方は地元の方が入れ代わり立ち代りで大盛況だったようだ。
さすがにこの時間帯になると、観光客の姿は皆無であった。
地元の方々の社交場と化しており、これが本来の外湯のあるべき姿である。
草津温泉に甘い物を求めて2へ