川原湯温泉は建設中の八ツ場ダムの完成と共に水没してしまう。しかし水没を免れる高い場所に新しい源泉の掘削に成功した為、
温泉自体は存続することが約束されている。それ以上に不思議なのはJR吾妻線の方だ。
温泉や吾妻川が水没するのだから川沿いを走る線路も影響を受ける筈だが、線路の付け替え云々といった話は一向に聞こえてこない。
この時間に川原湯温泉駅で下りる客はほとんどいない。駅前には川原湯製菓などの温泉まんじゅうの店や食堂があるが、
人通りはほとんどない。ここでの持ち時間はあまりないので、妻と手分けして3湯に入る。
自分は手前の笹湯、聖天露天風呂に、妻は奥の王湯にそれぞれ向かう。一言言っておけば良かったのだが、
王湯には展望の利かない露天と内湯があるのだが、湯の質では内湯の方が格段にいいらしい。
それを言わなかったばかりに、たっぷりと時間をとったはずなのに露天にしか入らなかったと聞いて、かわいそうなことをしたと思う。
一般的に露天と言えば眺めがいいと思いがちだが、王湯に関してはまったく展望も利かず、おまけに内湯と離れており、
着替えなければ両方の湯に入ることが出来ず、いかにも観光客向けに作りましたみたいだ。
ここでまたひとつ勘違いしていたのだが、笹湯は混浴だと思っていたことだ。笹湯に関する情報は事前に仕入れていた筈だったのだが、
思い込みと言うものはこわいものである。聖天露天風呂からほど近い場所にある笹湯の場所もすんなり分かり、
まずはその建物の外観を見て思わずにやりとする。温泉を外観から想像した場合、ほとんど外れたことはないからである。
木造の鄙びた感じの建物であった場合はなおさらである。妻をここに連れてくれば良かったと思ったがもう後の祭りだ。
次回また連れてくることにしよう。中へ入ると受け付けには人がいない為、料金箱にお金を入れる。
貸切状態を予想したのだが、こんな真っ昼間に先客がいたのには驚いた。聞けば地元の青年で、毎日入りに来ているとのこと。
Rさんがここで出会った青年というのは彼のことだっただろうか。話好きな青年でいろいろ質問責めにあい、
温泉やら鉄道の話でひとしきり盛り上がる。湯は予想通り熱そうだったが、加水していたおかげで適温になっていた。
ここの湯には白い大きな湯の花が大量に舞っており、
青系のレトロなタイルの浴槽の雰囲気とあいまって抜群の居心地の良さだ。開け放れた窓からはのどかな風景が広がり、地元の人御用達の湯ということもあり、熊本の寺尾野温泉に通じる印象を感じた。
取材年月日 2002.03.17
冬の18きっぷの時期に温泉巡りをしようということで、東鷲宮の新装なった百観音温泉を皮切りに3つの温泉を回ることにした。
もともと前橋駅前の温泉へ行くつもりだったのだが、高崎駅で何度も乗っている吾妻線の列車を見て思わず川原湯温泉へ行きたくなった。
上記の通り妻はまだ笹湯に入っていないので、是非とも入れてやりたかったのだ。
駅から温泉へ行く途中にある「ふるさと」という郷土料理店できびめし、煮込みうどんなどがセットになったもので昼食にする。
雪の積もった坂道をゆっくり歩いて行くが、こんなところを歩く人はいない。
車が道に積もった雪を跳ね上げて通るのを避けながら、ようやく笹湯に到着する。
雪道は思いの外時間がかかるもので、雪がない時期に比べて5分以上は余計にかかっているだろう。
冬の時期は乗り継ぎの時間に余裕を見ておきたい。
入った所に料金箱が新設してあり、熱いお湯の流入を調節する為の塩ビのパイプが設置されていた。
熱すぎるお湯は加水する手段しかなかったので、この措置は源泉掛け流し、加水なしという温泉本来のあるべき姿を追求する者にとって
喜ばしい。だが、この塩ビのパイプは浮力で動いてしまうので、気がつかない内に熱いお湯がガンガン流入していることがある。
少しだけお湯を浴槽に入れるということがかなり難しいので評価を下げざるを得ないが、この温泉はかぎりなく五つ★に近い。
取材年月日 2002.12.22(再訪)
なお外観、湯の花、女湯の画像は聖婆様に提供していただきました。




